この仕事を始める前は、りんごを実らせるだけではなく、どこで買ってもらえるかまで考えなければなりませんでした。
まずは、りんごを実らせてみようと、階段を上がるような気持ちでやってきたんです。
経済的には、売上金額は重要ですが、そこから費用を差し引いて残る金額を大きくできれば持続できるのではないかと考えました。
私の場合は、手作業で用が足りているし、働き手も家族だけだから、コストはよその数割でしょう。
それに、生産量は一般の八割ですが、虫や鳥による被害が少ないのでカバーできています。
どんなすぐれた栽培方法でも、それで生活ができなければ続けることができません。
しかし、このやり方で経済的にも軌道に乗せられることがわかった。
いまでは、この栽培方法をみなさんにお勧めしているわけです。
By木村秋則
(プロフェッショナル仕事の流儀13 File No.35より)
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