楽しく学べば、勉強が勉強でなくなる

アシスタントの英語教師として来日した日系カナダ人、マサキとの出会いが田尻の人生を変えた。
マサキは、型破りな授業の企画を次々と提案した。

外国人と一緒に料理を作る授業、そしてキャンプやバーベキュー。
田尻は、そんな遊びでどんな英語力が身につくかいぶかしんだ。

ある日、ジェスチャーゲームを行い、出題者がトイレにしゃがんでいる仕草をした。
その時、一人の生徒が手を挙げた。

英語が嫌いで、授業でほとんど発言したことのない生徒だった。
流暢な発音で、こういった。「Are you takinng a damp?」

教師である田尻も知らないスラング表現だった。
生徒たちは、マサキと毎日遊ぶうちに、いつの間にか生きた英語を身につけていた。

「楽しめば、勉強が勉強でなくなる」

これを機会に、田尻は授業の大改造にかかった。
生徒たちが苦手にしていた文法には、教材にアニメのキャラクターを使った。
なかなか声の出ない英会話の練習は、スピードを競うゲームに仕立てた。

子どもたちの歓声が響く魔法のような授業は、こうして生まれた。

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.25より)
2008.08.27:反田快舟:[仕事の流儀]

この記事へのコメントはこちら

※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。