花火の技術には教科書もありませんし、教えてくれる人もいません。
だから、実験を地道にやっていくしかありませんでした。
花火は何万種類という調合による変化があって、火薬一グラムの配合で結果が変
わります。
材料も品質のいいものと悪いものを取捨選択しなければならない。
そういったことを一つひとつ検証していったのです。
競技会でいい成績を出すのに十九年かかりました。
長い年月ここまでかけてできたわけで、いい花火はいきなりできるものではあり
ません。
初めて優勝したときは、辛い思いが一瞬にしてけし飛んだというのが実感です。
結果が出たことがうれしくて、ただただ感激していました。
By野村陽一
(プロフェッショナル仕事の流儀8 File No.24より)
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