答えは自分で見つけさせる

大瀧が学校にやってくるのは、午前6時半。
30年以上の間、週末も含めほぼ毎日、休みは年に10日もない。

清水商業サッカー部は部員100人。全国制覇12回の名門ながら、希望すれば
初心者でも入門できる。
練習はきわめてシンプルだ。
パス回しやシュート練習など小中学校でもやる基本的な練習をひたすら繰り返す。

その練習をじっと見つめていた大瀧が、突然プレーを止め、選手に問いかけた。
「どうしてあの子はこっちに来るんでしょうか。何をしたいんだと思う?」
一人の生徒の動きの意味を尋ねた。

しかし、答えは言わない。質問をぶつけて生徒たちに考えさせるのが大瀧のやり
方だ。
黙っている生徒たちにきつい口調で言う。
「自分の目で見て、頭で考えて、何をやりたいかって考えなさい」

大瀧の口調は「考えろ」。そこに、一つの信念がある。

(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No17より)
2008.06.17:反田快舟:[仕事の流儀]

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