突破口となった斬新なアイデア

大木の移植で一番のポイントは、幹をしっかり養生して固定し、吊り上げる瞬間
です。
木を傷めずにそれを行うのが非常に難しい。
しかもあの大藤は、とにかく傷が付きやすく、しかも幹の形が独特なんです。

だから、一年経ち、一年半が経ち、後一ヶ月で移植というときになっても方法が
わからない。
ありとあらゆる方法を考えたんですが、どれもダメ。
そんなとき、社員の一人が「昔バイクで事故を起こしたとき、首にギブスをして
入院した」といったんです。

「石膏でやったらどうだろう」
すぐに外科に行って石膏を分けてもらい実験しました。
すると、外から衝撃を与えてもびくともしない。「これだ」と思いました。

移植まで一ヶ月という時期にそのアイデアにたどり着いたのは、本当に偶然です。
ただ、答えを強く欲していたのは確かです。
いつも思うのは、「望めばかなう」ということ。
強く願っていれば、きっと訪れた幸運を逃がさないのではないでしょうか。

By塚本こなみ

(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No.16より)
2008.06.11:反田快舟:[仕事の流儀]

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