仕事と家庭をどう両立したのか

樹木医の資格をとって2年後、大きな仕事が舞い込んできた。
樹齢130年という、世界でも有数の大藤を移植してほしいという依頼だった。
過去に、こんな大きな藤で移植に成功した例はない。だが塚本は引き受けた。

塚本はその仕事にのめり込んだ。調査をし、来る日も来る日も考え続けた。
仕事に打ち込むあまり、帰りが遅くなり、家事がおろそかになった。
ある日、我慢の限界を超えた夫が怒鳴った。
「そんなに仕事がしたかったら、この家を出ていけ」

仕事か家庭か迫る夫。しかし、塚本はタンカを切った。
「嫌です。出ていきません。仕事も辞めません」
家庭も仕事も取ると塚本は宣言した。

その代り、自らに一つの決めごとをした。
仕事の愚痴は言わない。疲れた様子も見せない。
そんな塚本の覚悟に、夫も次第に折れていった。

(プロフェッショナル仕事の流儀6より)
2008.06.09:反田快舟:[仕事の流儀]

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