大きな重圧に立ち向かうには

多くの人にとって、家は生涯で最大の買い物。
その家をつくることは、ある意味では依頼者の人生を決めてしまう部分もある。
その重圧はありますよ。

だからおろそかにはできないという思いは常に持っています。
普通の人が数千万円というローンを組んでくるわけでしょう。
いい家にしてあげないといけない、という重圧をすごく感じます。

だからといって、萎縮してはダメなんですよ。
重圧は十分に感じながらも、どこかで呑気でないといけません。
自分を十分解放できていないといい家はつくれないと思っています。

やっぱり、自然体でいることが大事。
設計している時の気分は、完成した家にも表れます。
幸せな家というのは、設計者がまずそれを楽しまないとできないと思うんです。

ぼくは、自分自身が住みたい家にしたいんですよね。
自分が住んだらどうなるか、その家に入り込むことでアイデアが出てくる。
だから、プランニングしているときは、その家の中で暮らしているんです。

玄関から入り、階段を上がったり下りたり、家中を歩き回るんです。
春夏秋冬もあるし、一日のうちの時間帯もあります。
それから、病気になったらどうするか、トイレが遠すぎないだろうかとか。

それらすべてを、想像の中でシュミレーションしていくんです。
そういった作業が習慣化しているんですね。
それで、自分が気持ちいいと思える家、便利だと思える家をつくりたいんです。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)

2008.04.21:反田快舟:[仕事の流儀]

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