悪条件に恵まれる

独立したばかりの頃、ある依頼が来て土地を見に行ったんです。
建売密集地の狭い土地の一軒家。
現場を見てめげました。

ところが、家の中に通されると、6畳の部屋に家族がいっぱいいて、
鍋物を用意して、「ようこそ、いらっしゃい」って感じで迎えられたんです。
「この人たちの家がつくれなければ、建築家でいる意味がない」と思いました。

広い土地で、予算がたっぷりあれば、誰がやってもそこそこのものはできる。
条件が限られているから、建築家の力が問われていると思うんです。
だから、「悪条件に恵まれる」というところもあるんですよ。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.04.20:反田快舟:[仕事の流儀]

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