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寺小屋スタイルと掃除の意図

竹岡さんの塾は畳に座布団という寺小屋スタイルである。
また、講義が終わった後に生徒全員で掃除を行っている。

実は寺小屋スタイルの方が、いじめとか起こらないんです。
椅子がないから、何となく生徒間の距離が近いんです。
机も数人で一人だから、教師対生徒でちょうど敵・味方みたいになり、生徒同士に一体感が生まれる。
できない子に合わせるという目的にかなっているんです。

勉強ができないというのは、本人のやる気以外にも、家庭環境などいろいろな要素があると思うんですね。
だから、絶対横一線ではない。
けれども、もっと長いスパンで見たら人生では勉強ができるとかできないとかは微々たることなんですよね。

掃除は、みんな諦めてやっています。最初来たときは「何で?」って思っているでしょうね。
僕は、「自分が使った後なら片付けるでしょ。以上です」という。
知識なんて全部なくなるんです。ただ、掃除したという事実はたぶん残ると思うんです。

たぶん、これからもある場所を使ったら掃除すると思うんです。
それがどんな場面かわかりませんが、結構大事なことだと思うんですね。
使った後、当番の人が掃除している姿を見て、自分だけ帰る。そういう人は嫌ですね。

(プロフェッショナル仕事の流儀3より)
2008.03.31:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

困難から逃げるな

生徒に全力で壁に立ち向かえと言い続けてきた責任を、竹岡自身が問われた授業がある。
2005年の春、一人の生徒が入校してきた。本城令子さん。
耳が不自由なため、講師の口の動きと、友人のメモを頼りに授業を受けていた。

それを知った竹岡は、授業のやり方を根本から変えた。
話す内容をすべて黒板に書く。毎週毎週、話す内容をひたすら黒板に書き続けた。
ワイシャツの裾を出しながら書き続けるその姿から、ただならぬ熱意が伝わってくる。

自分のために始まった異例の授業に、本城さんも正面から向き合った。
「自分が頑張らなあかんっていう苦労とか、そういうものを分け持ってくれた感じがして。みんなと同じように授業を受けられることがすごいうれしかった」
(本城さん)

クラス最後の授業の日。竹岡は、感謝と激励のメッセージを黒板に書きなぐり、「はい終わり!」と授業を締めくくった。
黒板にはこう書かれていた
「一番うれしかったことは、こんな授業をしていたのに、だれも文句をいわなかったこと。あんたはえらい!!よって合格してこい!!」

授業を終えて職員室にいた竹岡のもとに一人の生徒がやってきた。
「手紙書いてきたんです。私、令ちゃん(本城さん)と仲が良くて。私も片腕が使えないんですよ。だから、同じ障害を持つものとしたら、
すごいうれしかって。先生みたいな人がもっといると、夢をかなえたい人とか、もっと夢が広がったりするのにと思って。
ここにきて一番よかったと思うのはそれやったから、どうしても伝えたくて」

思いがけず、教え子から差し出された手紙。
一年間の思いがこみ上げる。竹岡の目頭が熱くなった。
授業は生徒との真剣勝負。竹岡の熱い気持ちは、確かに生徒たちに届いていた。

(プロフェッショナル仕事の流儀3より)
2008.03.30:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

生徒を伸ばす教えの極意

竹岡の教え方の基本は、英語の世界を映像でイメージさせること。
身振り手振りを交え、言葉のイメージを伝える。
厳選した英単語を、ときには語源にさかのぼって説明する。

「universeのverseは“回る”やね。宇宙のイメージね」
ホワイトボードにぐるぐるっと円を描き、回るイメージを伝える。
一つの単語に30分かけることも珍しくない。

ここに、竹岡が大切にしている信念がある。
「遠回りこそ近道」
勉強はね、遠回りしたほうが絶対いいわけ。

早く済ませて片付けてしまおうとするとダメね。
身についてこそ勉強だと考える。
 
「では質問がある人」
塾の名物、質問だけの授業が始まった。
この授業はたびたび中断する。
生徒から難しい質問が出たとき、車で1分の自宅に帰るためだ。
膨大な資料の中から、説明にうってつけの材料を捜し出す。

「ごまかしたり、ひるんだりしたら負けです。すぐ生徒は見抜きますから。あ、ごまかしよった今、と。それが続くと信頼関係が崩れる」
大切にしているのは、
生徒が知りたいと思った瞬間を逃がさずに教えること。
そして、英語を面白いと思う「きっかけ」をつくることだ。

(プロフェッショナル仕事の流儀3より)

じっくり。手抜きをしない。ごまかさない。タイムリー。
2008.03.29:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

きっかけをつかめば人は伸び る

落ちこぼれ高校生が、ユニークな教師たちのもとで東大を目指す人気漫画「ドラゴン桜」。
この物語に登場する英語教師には実在のモデルがいる。
京都で「竹岡塾」を主宰する竹岡広信。

書いた参考書は十万部を売上げ、予備校で特別講習を募集すれば、即日定員オーバー。
授業はいつも熱気に包まれる。

「感謝、尊敬。あの人がいなかったら英語はずっと嫌いだった」
「英語の授業というより、人生について叩き込まれた感じ」
「今でも、
また授業を受けてみたい」

現役東大生に、影響を受けた教師を聞いてみると、次から次へと竹岡の名前が挙がる。
事実、竹岡のもとで学び、英語の成績が飛躍的に伸びた生徒は数えきれない。
多くの苦難を経てたどり着いた英語の指導法。
その極意を手に、竹岡は今日もひたむきに生徒と向き合う。

(プロフェッショナル仕事の流儀3より)

皆、極意を求めて苦難の道を歩んでいる。
人は好きなことは続けられる。
どう興味を持たせるか。
どれだけ自分が好きになるか。
2008.03.28:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

挟土秀平のプロフェッショナルとは

新しいことに挑戦して、そこですごい不安な気持ちで皆がピリピリしているムード。
その殺気立っているムードのことを僕はプロフェッショナルといいたいです。

(プロフェッショナル仕事の流儀3より)

一流と言われる会社の創業社長に会うときは、本当に緊張する。
これは、会社の名声とかではなく、その人の放つオーラのようなものを感じるからだ。
言葉も態度も違う。それでいて人を決して見下したりしない。
何社かそんな企業の診断メンバーに入ったが、“真剣勝負”と身震いがしたものだ。
最近は、こんなことないなあ・・・。
2008.03.27:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]