まず、虚勢を張らないこと。できないことをできると言ってはいけません。
ただし、すべてを言えばいいというものでもない。
「私はここまでしかできません」とは、決して言ってはいけないと思います。
嘘をつく必要はない。できることはできると言えばいい。
でも、できないというのはプロがやすやすということじゃない。
何かやってくれるかもしれない、どうにかしてくれるかもしれない、
そう思わせるのがプロでしょう。
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
HOME > 仕事の流儀
職人として一番大事にしていること
一番大事にしているのは、評価の基準がブレないようにすること。
その基準は何かと聞かれたら、「私です」と言うしかないのですが・・・。
何がブレてはいけないかというと、自分自身の意思と基準となる感覚です。
車の評価は、五感も使うし、それを言葉で伝えなければいけないので、どちらが
ブレてもダメだと思うんです。
また、信条としていることは、「負けず嫌い」です。
お客様に対しても。エンジニアや同僚に対しても、自分がこれだと思ったことは
絶対に譲らないし、諦めません。
嫌な仕事や苦手な仕事に直面したときも、この負けず嫌いな性格が功を奏してき
たんじゃないかと思います。
「これを克服するにはどうしたらいいんだろう」と考えますから。
By加藤博義
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
その基準は何かと聞かれたら、「私です」と言うしかないのですが・・・。
何がブレてはいけないかというと、自分自身の意思と基準となる感覚です。
車の評価は、五感も使うし、それを言葉で伝えなければいけないので、どちらが
ブレてもダメだと思うんです。
また、信条としていることは、「負けず嫌い」です。
お客様に対しても。エンジニアや同僚に対しても、自分がこれだと思ったことは
絶対に譲らないし、諦めません。
嫌な仕事や苦手な仕事に直面したときも、この負けず嫌いな性格が功を奏してき
たんじゃないかと思います。
「これを克服するにはどうしたらいいんだろう」と考えますから。
By加藤博義
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
余裕は持つのではない、つかむもの
加藤は、テストドライバーとして、ドイツの山奥に送り込まれた。
世界最難関のテストコース、ニュルンブルリンク。
意気揚々とやってきた加藤は、コースを見るなり茫然とした。
「正直、生きて帰れるんだろうかって思いました。これは本当にテストコースか、と」
急激な下り坂に、先の見えない急カーブが続く。道幅わずか8メートル。その横は崖。
そこを、時速200キロメートルで走り抜けなければならない。
加藤は恐怖でアクセルを踏み込めず、全くテストにならなかった。
結局、現地のドライバーに頼み性能評価をしてもらった。屈辱だった。
しかし、翌年も、また翌年も、加藤はドイツに送られた。
投げ出さないと上司に誓った約束。
しかし、コースに出れば緊張で体はガチガチ、毎日のように自分が事故で死ぬ夢を見た。
どうすれば余裕を持って走り、車を評価できるのか、誰も教えてくれなかった。
5年が経った。加藤は意地だけで難関コースに挑み続けていた。
ある日、ハンドルを握りしめず、指だけで持ってみた。
力の入れようがなく、力みが少し抜けた。勇気を出し、コーナーに200キロで突っ込んだ。
急カーブを乗り切った。指先で初めてタイヤの動きが感じられた。
次第に車の性能評価ができるようになってきた。
這いつくばるようにして、コースに挑みつづけて5年。加藤は気づいた。
「余裕は持つものではない、つかみとるものだ」
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
世界最難関のテストコース、ニュルンブルリンク。
意気揚々とやってきた加藤は、コースを見るなり茫然とした。
「正直、生きて帰れるんだろうかって思いました。これは本当にテストコースか、と」
急激な下り坂に、先の見えない急カーブが続く。道幅わずか8メートル。その横は崖。
そこを、時速200キロメートルで走り抜けなければならない。
加藤は恐怖でアクセルを踏み込めず、全くテストにならなかった。
結局、現地のドライバーに頼み性能評価をしてもらった。屈辱だった。
しかし、翌年も、また翌年も、加藤はドイツに送られた。
投げ出さないと上司に誓った約束。
しかし、コースに出れば緊張で体はガチガチ、毎日のように自分が事故で死ぬ夢を見た。
どうすれば余裕を持って走り、車を評価できるのか、誰も教えてくれなかった。
5年が経った。加藤は意地だけで難関コースに挑み続けていた。
ある日、ハンドルを握りしめず、指だけで持ってみた。
力の入れようがなく、力みが少し抜けた。勇気を出し、コーナーに200キロで突っ込んだ。
急カーブを乗り切った。指先で初めてタイヤの動きが感じられた。
次第に車の性能評価ができるようになってきた。
這いつくばるようにして、コースに挑みつづけて5年。加藤は気づいた。
「余裕は持つものではない、つかみとるものだ」
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
テストドライバーの存在意義
現在では、エンジニアがデジタルで設計しただけでも、お客様に迷惑をかけるよ
うな車は絶対にできません。
それは、データの積み重ねの結果です。
ただ、「振る舞い」みたいなものまでは、一朝一夕にデータ化できるものではな
いんですね。
車の整備から、テストコースを回って帰ってくるまでのあらゆる場面をすべて書
き出すには、要素の数が多すぎるのです。
それに、いくらデータ化したところで、人間でなければ判断できないところがた
くさんあります。
最後にものをいうのは、データを踏まえたうえでの人間の感性だと思います。
By加藤博義
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
うな車は絶対にできません。
それは、データの積み重ねの結果です。
ただ、「振る舞い」みたいなものまでは、一朝一夕にデータ化できるものではな
いんですね。
車の整備から、テストコースを回って帰ってくるまでのあらゆる場面をすべて書
き出すには、要素の数が多すぎるのです。
それに、いくらデータ化したところで、人間でなければ判断できないところがた
くさんあります。
最後にものをいうのは、データを踏まえたうえでの人間の感性だと思います。
By加藤博義
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
テストドライバーはどんな運転を心がけているのか
テストドライバーの運転で大切なのは、ズムーズであること。これに尽きると思
います。
自動車は、路面からの入力でいろいろな動きをします。
それに対して、アクセルやブレーキ、ステアリングを切ったりすると、それでま
た動きが変わってしまう。
普通に評価するためには、スムーズな運転が必要なのです。
基本的な運転そのものは、テストドライバーも一般の人と一緒です。
ただ、スムーズさを追求したり、再現性を強く意識して運転することろが違いと
いえるかもしれません。
同じ操作と違う操作を何回も繰り返しながら、車の「振る舞い」を評価していく
わけです。
By加藤博義
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
います。
自動車は、路面からの入力でいろいろな動きをします。
それに対して、アクセルやブレーキ、ステアリングを切ったりすると、それでま
た動きが変わってしまう。
普通に評価するためには、スムーズな運転が必要なのです。
基本的な運転そのものは、テストドライバーも一般の人と一緒です。
ただ、スムーズさを追求したり、再現性を強く意識して運転することろが違いと
いえるかもしれません。
同じ操作と違う操作を何回も繰り返しながら、車の「振る舞い」を評価していく
わけです。
By加藤博義
(プロフェッショナル仕事の流儀5より)