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仕事と家庭をどう両立したのか

樹木医の資格をとって2年後、大きな仕事が舞い込んできた。
樹齢130年という、世界でも有数の大藤を移植してほしいという依頼だった。
過去に、こんな大きな藤で移植に成功した例はない。だが塚本は引き受けた。

塚本はその仕事にのめり込んだ。調査をし、来る日も来る日も考え続けた。
仕事に打ち込むあまり、帰りが遅くなり、家事がおろそかになった。
ある日、我慢の限界を超えた夫が怒鳴った。
「そんなに仕事がしたかったら、この家を出ていけ」

仕事か家庭か迫る夫。しかし、塚本はタンカを切った。
「嫌です。出ていきません。仕事も辞めません」
家庭も仕事も取ると塚本は宣言した。

その代り、自らに一つの決めごとをした。
仕事の愚痴は言わない。疲れた様子も見せない。
そんな塚本の覚悟に、夫も次第に折れていった。

(プロフェッショナル仕事の流儀6より)
2008.06.09:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

日本人にとっての藤とは

藤というのは、日本原始の木なんです。
世界にもあるのですが、あそこまで長くなるのは日本の種だけです。

「藤」という字を使った苗字は141もあるんです。
私の調べた範囲ですから、きっとまだあるでしょう。
それだけ日本人と藤は関係が深いんですね。

それに、古来、藤は権力の象徴でもあったんですね。
あの藤色は高貴な色として尊重されてきましたし、蔓の強さも魅力的に映ったよ
うです。
源氏物語でも最初に藤壷が出てきますし、聖徳太子も藤を愛でたという文書が
残っています。

ほかの木に絡みつきながら、1年で5~10メールも伸びて、光を独り占めにし
てまた蔓を伸ばす。
やがては絡めついた木を絞め殺して、自分だけが生き残る。
そんなものすごい生命力を持った木なんです。

藤は個人的にも一番愛してやまない木ですね。
移植や腐りの対策など、一番苦しんだ木でもありますから。

By塚本こなみ

(プロフェッショナル仕事の流儀6より)

先日、長年庭に植えていた藤を伐採しました。
蔓が伸びすぎて、手に負えなくなったからです。
所詮、権力とは無縁なのでしょう・・・。
2008.06.08:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

樹木医になるにはどうしたらよいか

日本には、国や都道府県や市の指定天然記念物、神社仏閣の古木など、素晴らし
い木がたくさんあります。
しかし、環境悪化の影響を受けて、どんどん弱っているものが少なくありません。
そんな木を守るために、平成3年に林野庁が樹木医の試験制度をつくりました。

試験を受けるには、まず樹木の診断治療・保全保護の経験が7年以上あることが
条件。
試験の際は、受験者全員が14日間、会場に缶詰になり、毎日8:30~17時
まで、研修と試験が繰り返されます。
樹木の生理生態、病気や害虫、それから接ぎ樹や移植など、全部で14科目あり
ます。
座学もあれば、外での実習もあり、最後に、総合診断という診断書を書きます。

現在、樹木医の認定を受けている人は1300人くらいでしょうか。

By塚本こなみ

(プロフェッショナル仕事の流儀6より)

6月1日に畠山重篤さん主催の「森は海の恋人植樹祭」に初めて参加しました。
今年で20周年だそうで、北海道から熊本まで約1,000人が参集しました。
岩手県一関市室根町(旧室根村)矢越山ひこばえの森に20種類以上の広葉樹を
植えるのです。

木は多様性があるから育つのだそうで、再生には長い長い年月が必要です。
それでも、できることから一歩一歩進めることの大切さを学びました。

2008.06.07:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

樹木の声を聞く

日本一の入場者を誇る植物園が栃木県足利市にある。
「あしかがフラワーパーク」。
290本もの藤と樹齢140年の老木「野田の九尺藤」は圧巻で世界最大級。

藤を守ってきたのは、延長で樹木医の塚本こなみ。
病気で治らないという木を次々と治してきた日本を代表する樹木医である。
造園業の夫に嫁いだ当初、樹木の名前すらわからなかった塚本は猛勉強の末、42歳で樹木医になった。

机上の学問ではわからないことだらけの植物の世界。
何度も壁にぶつかりながらも諦めず試行錯誤を重ね、ここまで来た。
塚本は365日、木々と向き合い、樹木の病と闘い続ける。

(プロフェッショナル仕事の流儀6より)
2008.06.06:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

内原智史のプロフェッショナルとは

プロフェッショナルとは、自分がプロであると、ちゃんと言えること。
そして、誰も思い描いていないことを頭の中で強くイメージを描き続けている。
それをずっと続けていられるのがプロじゃないかと思います。

器用だからやるのではなく、不器用でも一生懸命、誰よりも一番そのことを思って取り組んでいくことが、やがて活路を開くんではないかと思います。

(プロフェッショナル仕事の流儀5より)
2008.06.06:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]