僕自身は、特に厳しくしようという意識はありません。
ただ、一人の子とサッカーを通して接する時間は二年半しかない。
その二年半に何をすべきかを自分に問いかけると、つい厳しい言い方になってし
まうんですね。
それでいいのかどうかはわかりません。
褒めて育てることができれば、それに越したことはないのでしょう。
大きい声を出してしまうのは、僕自身が未熟なのだろうとも思います。
「衝突を恐れるな」という言葉の意図するところは、遠慮し合っていてはいいも
のは出てこないということ。
伝えるべきことは伝える。そして反論が出たらお互い納得のいくまで議論していく。
そうやってとことんやり合うことで、友情も芽生えるし、お互い考え方も豊かに
なる。
実際、自分の思いを伝えられる子のほうが成長していきます。
高校の三年間の変化というのは、すごいもんだと思います。
By大瀧雅良
(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No.17より)
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自分で見つけた答えだけが、自分のものになる
教えてもらったものは身につかない。
教えてもらうと、いざというときに何か教えてと頼ってくる。
逆に自分でつかんだものは、どんな時でも忘れない。
どうすれば自分で考え、つかむようになるのか。
最大のチャンスは、壁にぶち当たった時だという。
この日はグランド脇に一人の選手を呼んで質問をぶつけた。
「もし、お前が相手の監督だったら、お前みたいな選手がいたらどうする?」
「お前の欠点は何?」
単刀直入に、厳しい質問をぶつける。自分の弱点と正面から向き合わせるためだ。
「お前はいったいどう考える?」
「自分はどう考えるってところが、弱くない?」
大瀧の、「答えは自分で見つけさせる」というやり方は徹底している。
(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No.17より)
答えは自分で見つけさせる
大瀧が学校にやってくるのは、午前6時半。
30年以上の間、週末も含めほぼ毎日、休みは年に10日もない。
清水商業サッカー部は部員100人。全国制覇12回の名門ながら、希望すれば
初心者でも入門できる。
練習はきわめてシンプルだ。
パス回しやシュート練習など小中学校でもやる基本的な練習をひたすら繰り返す。
その練習をじっと見つめていた大瀧が、突然プレーを止め、選手に問いかけた。
「どうしてあの子はこっちに来るんでしょうか。何をしたいんだと思う?」
一人の生徒の動きの意味を尋ねた。
しかし、答えは言わない。質問をぶつけて生徒たちに考えさせるのが大瀧のやり
方だ。
黙っている生徒たちにきつい口調で言う。
「自分の目で見て、頭で考えて、何をやりたいかって考えなさい」
大瀧の口調は「考えろ」。そこに、一つの信念がある。
(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No17より)
30年以上の間、週末も含めほぼ毎日、休みは年に10日もない。
清水商業サッカー部は部員100人。全国制覇12回の名門ながら、希望すれば
初心者でも入門できる。
練習はきわめてシンプルだ。
パス回しやシュート練習など小中学校でもやる基本的な練習をひたすら繰り返す。
その練習をじっと見つめていた大瀧が、突然プレーを止め、選手に問いかけた。
「どうしてあの子はこっちに来るんでしょうか。何をしたいんだと思う?」
一人の生徒の動きの意味を尋ねた。
しかし、答えは言わない。質問をぶつけて生徒たちに考えさせるのが大瀧のやり
方だ。
黙っている生徒たちにきつい口調で言う。
「自分の目で見て、頭で考えて、何をやりたいかって考えなさい」
大瀧の口調は「考えろ」。そこに、一つの信念がある。
(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No17より)
名選手を育てる驚異の指導者
清水商業サッカー部監督・高校教師、大瀧雅義。
名波浩、藤田俊哉、小野伸二、川口能活、田中誠など、
30年の教師生活で育てた日本代表選手は13人に上る。
なぜ大瀧のもとから一流選手が次々と育つのか。
その答えは、二人の選手の言葉にある。
「人としての生き方とか考える力を大瀧先生は教えてくれた」(川口能活)
「僕は人から言われるとカチンとくるタイプだが、大瀧先生だと素直に受け止められる」(小野伸二)
大瀧は、優秀なサッカー選手を育てるよりも、一人前の人間を育てたいと考える。
そして選手に語りかける。「勝ことよりも、大事なことがある」と。
(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No.17より)
名波浩、藤田俊哉、小野伸二、川口能活、田中誠など、
30年の教師生活で育てた日本代表選手は13人に上る。
なぜ大瀧のもとから一流選手が次々と育つのか。
その答えは、二人の選手の言葉にある。
「人としての生き方とか考える力を大瀧先生は教えてくれた」(川口能活)
「僕は人から言われるとカチンとくるタイプだが、大瀧先生だと素直に受け止められる」(小野伸二)
大瀧は、優秀なサッカー選手を育てるよりも、一人前の人間を育てたいと考える。
そして選手に語りかける。「勝ことよりも、大事なことがある」と。
(プロフェッショナル仕事の流儀6 File No.17より)