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批判される人間でいろ

恩師の伊藤先生から言われた言葉はたくさんあります。
ただ若い時には、言葉として理解していても真意は理解できないものです。

歳をとって、いろいろな経験をして、「ああ伊藤先生が言っていたのは、こんな
意味だったんだ」
とわかるまでには、ずいぶん時間がかかりました。

そんな言葉のひとつに、「いつも批判される人間でいろ」というものがあったん
です。
絶賛ならともかく、批判なんかされたくないですよね。

「何かをやっていれば必ず評論家みたいに批判する人が出てくる。
批判をされるということは何かをしていることだから、批判される人間でいろ。
決して評論家になるな」
と言われました。

By上山博康

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.26より)
2008.09.08:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

手術を失敗した時の気持ち

どこにも自分の居場所がなくなるんです。茫然として・・・・・。

「俺、先生を信頼しているから頼むよ。
息子が二人いて、一人立ちできるまでは死にたくないんんだ」

今でも手術の前の笑顔が浮かんできます。
悔しいです。彼の無念さが、どうしても忘れられない。

その後も、何人もの方を亡くしてします。
そんな思いを後輩たちに絶対させたくない。
だから、彼らにも厳しくしているんですね。

By上山博康

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.26より)
2008.09.07:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

医者としての最高のモチベーション

患者さんからの手紙やメールはすべて読んで、必ず返事を出しています。
みんな、人生がかかっているので、困り果てていることが文面から伝わってくる
んです。

よそではできない手術をしてあげられたら、「やった!」という感覚が得られる
でしょう。それがあるからやっているんです。

手紙や外来を含めて患者さんと接すること、患者さんの人生に触れることが、
自分のモチベーションを高める一番のエネルギーになっています。

患者さんが元気になって、「どうもありがとうございました」と退院していくとき、
あの瞬間は、外科医にとっての凱旋なんです。
あの喜びを、若い先生たちに一刻も早く味わってほしいんです。

By上山博康

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.26より)
2008.09.06:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

大丈夫です!

そこまで言い切っていいんですか?といわれることもあります。
何パーセントかは、悪い結果になるわけですからね。

でも、そうなったときは誠心誠意謝罪するしかない。
リスクが高すぎると自分でも思っています。今は訴訟社会ですからね。

でも、患者さんは命懸けで僕を信頼して、手術台に乗ってくれるんです。
患者さんが命のリスクを懸けるなら、
僕は医者のプライドにおいて相応のリスクを負うのが対等な関係だと思います。

By上山博康

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.26より)
2008.09.05:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

才能と努力はどちらが重要か

人並みの手の動きと人並みの努力で、方向性さえ間違わなければ、
僕程度の医者には誰でもなれると思います。

優れた外科医を、よく「神の手」を持つと表現しますね、。
でも僕は、「匠の手」「職人の手」を持ちたいんです。

「神の手」は、神の子しか受け継ぐことができません。
けれど職人なら、自分の技術を弟子に伝承できます。

それに、僕らが手術を安定的にやれるのは、麻酔科や放射線科の医師や技師、
そして看護師など、たくさんの人々のサポートがあるからなんです。

スーパースターが一人いても、手術はできません。
だから、いい仲間は、仕事においても人生においても大切です。

By上山博康

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File NO.26より)
2008.09.05:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]