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撮影で一番大切にしていること

「壊さないこと」ですね。

広告の中で、「ああ、ここがカギだな」と思える瞬間があるんです。
それは場所であったり、人であったり、さらには表情であったりします。

その表情に行き着くためにはどうすればいいのを考えます。
例えば、大声を立てないとか・・・。
それが、「壊さない」というキーワードのもとでつながっているような気がします。

写真は自分を映している鏡だと思っているんです。
自分が何を考えていたとか、何を迷っていたとか、すべて被写体に映し出されて
いる。

にっこり笑っている写真でもないのに、なぜか気持がよくなったりするのは、
撮影の現場で僕がそうなっているからなんです。

By上田義彦

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.27より)
2008.09.18:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

自分を信じるとは

僕にとって自分を信じるというのは、命に似た原始的なものなんです。
だから最初から自分を信じる。
「自分しかないんだ」ということですね。

僕はいつも自分をゼロに戻すようにしています。
自分では何かを積み重ねてきたという意識はないんです。

いつもゼロのところにいて、写真を撮る瞬間100を超えていく。
「何が起こっても大丈夫。またゼロに戻せるから」ということ。
そうすることで見えてくるものが、たくさんあるような気がします。

By上田義彦

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.27より)
2008.09.17:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

広告と芸術の間で葛藤はあるか

葛藤はありますが、広告も芸術作品も、撮っているのは自分だということ。
「自分はこう思う。だからこうしたほうがいい」と言えるものがあることが大切
です。

広告の場合でも、納得できないものは撮りません。
それは撮る人間の信念なので、それでなければ自分がいる意味がありませんから。

ほとんどの広告は、企画が来た段階で、80点レベルにまで完成されたものです。
僕の仕事は、そこから残りの20点で、見る人に何かを感じさせるものにするこ
とです。

By上田義彦

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.27より)
2008.09.16:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

広告写真を撮り続ける理由

通常の作品は最初から最後まで自分だけのものですが、広告は企画の段階から色んな人が関わって、最後の段階で僕のところに依頼が来るわけです。

そうすると、自分では思ってもみなかった人や場所、そして撮り方といったものが盛り込まれます。
それに自分が加わることで、新しい何かが起こるのが広告の面白さだと思います。

それはとてもダイナミックな動きで、自分だけで考えている世界とは全く違うも
のが生まれる可能性があるんです。

By上田義彦

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.27より)
2008.09.15:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

写真を撮るプロの心理

撮っている間は空気になりたいですね。
人と人との間にカメラがあって、写す側と写される側がいる。

その人の本来の姿を撮りたいと思っても、
カメラがあることによって通常ではない状態になっているわけです。

だから、言葉や態度によってお互いの関係をできるだけ透明なものにしたいん
です。
そして、ある思いがふっとその人をよぎって、一瞬の間ができたときにシャッ
ターを押します。

時間をかければいいものではないですね。
いいものは自分の心が動いた瞬間に撮れるものです。

By上田義彦

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File NO.27より)
2008.09.14:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]