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海上保安庁を志した理由

もともと体を動かすことが好きなんです。
だから、体を動かす仕事ができて、しかもそれが人のためになる。
そこに惚れたんです。

まず体育の教員を目指して体育大学に進んだ時、ライフセービングに出会ったんです。
これだ!と魅了されてのめり込んだのですが、
活動が夏に限定されることで職業としては定着しないのです。

そのように将来のビジョンを考えている時、
同じように海で救助する仕事として浮かんだのが海上保安庁でした。

そんなある日、海上保安庁のヘリコプターが颯爽と登場して、
けが人を助ける場面を目の当たりにしたんです。

それが、ビデオで繰り返し見た映画「トップガン」のワンシーンと重なって
強烈に焼きついて、「こんな仕事がしたい」と思うようになったわけです。

だから、その夢がかなったときは本当にに嬉しかった。

By寺門嘉之

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.31より)
2008.11.08:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

長く素潜りをするためのトレーニングとは

単純に息を止めているだけであれば3分から4分は我慢できるでしょう。
海上保安庁の潜水士になるための教育課程で、少なくとも2分30秒は潜れるように訓練します。

そこから、3分あるいは4分まで達するには、更にトレーニングが必要です。
それは、苦しさを感じない「無の状態」をつくること。

何かを考えると脳は非常に多くの酸素を使います。
だから脳を働かせないでも作業ができるようになるまで反復練習をするんです。

By寺門嘉之

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File NO.31より)
2008.11.07:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

オンとオフをどのように切り替えるか

仕事に行くときにスイッチをオンに、自宅に戻るときにはオフにするように常に心がけています。
仕事に行くときは、すぐに切り替わるのですが、その反対は苦手で、仕事を引きずったままで帰ることが多いですね。

また、仕事をしているときは常にオンになっているわけですが、あまり緊張した状態は長続きしません。
そこでオンでありながら限りなくオフに近い、ある一線の緊張感を保った状態に維持しておく。
そして、いざという時に心と体を素早くピークに持っていくように訓練しています。

By寺門嘉之

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File NO.31より)
2008.11.06:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

怖さを感じることはないのか

非常に怖いですね。ただ、それを意識して悟られないようにしていることが半分。
それと、私自身が緊張を抑え余裕を持つことで、隊員たちがリラックスできるということも常日頃から意識しています。

現場では、データだけでは不十分なところがあります。
自分の経験や五感、六感まで信じて補い、決断を下さねばなりません。

By寺門嘉之

(プロフェッショナル仕事の流儀11 FIle No.31より)
2008.11.05:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

気持ちだけでは、人は救えない

荒れ狂う海で人命の救助に当たるには、強靭な肉体と並はずれた精神力が必要だ。
そのために寺門たちは、日々過酷な訓練を繰り返す。

例えば10kgの重りをつけての立ち泳ぎや、水深35mの潜水訓練。
水深30m以上になるとボンベ内の窒素が血液に溶け出し正常な意識を保てなくなる。
いわゆる「窒素酔い」だ。

その中で、マスクをはずして作業を行う訓練を始める。
過酷な訓練は、自らの限界を徹底的に体に刻みこむことが目的だ。
自分の限界が不明確だとそれを飛び越してしまい、命を落としかねない。

あるいは、命を救えなかった時、「自分は限界まで力を尽くしたのか」と
自責の念にさいなまれ、心を病むこともある。
ギリギリのところまで自分たちを追い込むことで強い精神力を養うのだ。

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.31より)
2008.11.04:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]