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仕事を通じて感じる喜び

自分のつくった製品が、新幹線の中や、いろいろなお店で飲まれていたりすると、ものすごく嬉しいですね。
ウイスキーって主役じゃないと思っているんです。ただ、欠かせない脇役ではないかと。
人生の中に、「ウイスキーでなければ」というシーンが絶対にあるはずなんです。

By輿水精一

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File NO.32より)
2008.11.28:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

信念を貫く

自分のウイスキー観、熟成のうまさを最大限、ウイスキーの中につくり込みたいといういう一点ですね。
そこの基準をブレさせてはいけないということを、一番大事に考えています。

By輿水精一

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.32より)
2008.11.27:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

妥協が生んだ失敗

焼酎ブームに押され、長らく売れ行きが落ち続けていたウイスキーだが、
税率が下がったため、一気に巻き返しの機運が盛り上がっていた。

輿水に、人気回復のための新しいウイスキーづくりが任された。
考えたのは、焼酎のように飲みやすく、でも新しい個性を持ったウイスキー。

しかし、試作を何度繰り返しても、なかなか納得する味には仕上がらない。
納期まであと数日になっても、ブレンドが決まらなかった。

新製品が締め切りに遅れれば大打撃となる。輿水は追い込まれた。
焦りが募る中、ふと思った。「まあ、これでいこうか」

だが、発売して間もなく輿水は愕然とした。目標の半分も売れない。
倉庫に在庫の山ができた。

そんなある日、輿水は、先輩にキツイ一言を浴びせられた。
「本当にうまいと思ったの?」

輿水は激しく後悔した。
疑問を抱きながら、それに目をつぶった自分。そんな自分が許せなかった。
その日を境に、輿水は変わった。

納得がいかなければ、トップのゴーサインが出た後でも、ブレンドを変えた。
二度と自分に嘘をつかない。その信念が、今の輿水を作り上げた。

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.32より)
2008.11.26:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

ブレンドの完成をどう見極めるのか

その時点でやり残したことがないと思えることが、一つの基準です。
アイデアがなくなったら、そこまでが自分の力です。

By輿水精一

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File NO.32より)
2008.11.25:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

「ウイスキーの魅力とは」

一番の魅力は、何といっても、5年、10年、ときには20年という時間をかけてつくり上げていく、熟成のうまさですね。
それはもう、人知の及ぶ世界を超えたところにあって、時間と貯蔵環境がもたらした偶然の産物です。

熟成について、今の科学で説明できることは、ほんの一部です。
熟成の過程は科学として説明できるのでしょうが、そこで実感できる満足感や質感はいくらも説明できません

ウイスキーは「樽の中で眠っている」のではなく「育っている」のだと思います。
われわれブレンダーの仕事は、その育ち具合を見守ることです。

By輿水精一

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File NO.32より)
2008.11.24:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]