サッカーは日本に浸透しつつあるが、まだサッカー先進国とはいえない。
例えばヨーロッパの少年少女サッカーでは、全員が均等に試合に出場できるが、日本では、補欠で出番がない子供たちがどれほど大勢いることか。
誰だってトレーニングよりゲームが好きだ。ゲームがあるからトレーニングをする。そのゲームの機会を子供から奪う異常さに気がつかない。大事なのは、大会運営者、審判、指導者、引率者など、もっと多くの大人たちが子供たちに関心をもち、誰もがゲームを楽しめる環境をつくることだ。
また、指導に関しても、子供中心のトレーニングやゲームになっていない。大人が100%コントロールする。判断力の質の高さは選手の質の高さ、なのに外から大人たちが、「走れ」「シュート」と指示ばかりする。
また、子供たちのトライ&エラーに対し「何してんだヨ!」と罵声を浴びせる。子供たちはやがて自分で判断をしなくなり、チャレンジ精神を奥深くに隠すだろう。大人は「子供たちの素晴らしい部分を奪ってしまっているのではないか」という気持ちを持つべきなのだ。
(11/14日経朝刊・スポートピア・Jリーグ千葉GM祖母井秀隆)より
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「引きこもりの効用」
引きこもりが増えている。しかし、人間にはある程度の引きこもりが必要だ。一人で誰にも邪魔をされず、ぼーっとしたり、それによってストレスを解消したり、新しい考え方や力が生まれてきたりする。
ただ、それをどのような方法でいつするかが問題なのである。お勉強やお稽古に熱心な母親は、子供に必要な引きこもり権を奪っていることに気がつかない。それを奪われた人は成人になってから、高利子つきの借金を返すように、相当な引きこもりにならざるをえない。
引きこもりの障害を予防したい人は、子供のときから上手に、時には非合法すれすれに引きこもりを経験しておくことである。
(縦糸横糸より)
ただ、それをどのような方法でいつするかが問題なのである。お勉強やお稽古に熱心な母親は、子供に必要な引きこもり権を奪っていることに気がつかない。それを奪われた人は成人になってから、高利子つきの借金を返すように、相当な引きこもりにならざるをえない。
引きこもりの障害を予防したい人は、子供のときから上手に、時には非合法すれすれに引きこもりを経験しておくことである。
(縦糸横糸より)
「信念が生む愚行」
ある親が自分の子供を一流大学に入れようとして、幼稚園のときから色々と苦労を重ねる。子供がやっと望みの大学に入って大喜びしているとき、子供は人生に疲れ果て孤独に耐えられず自殺してしまう。
この親は、子供の幸福を願ってというが、一番根本にあるのは、親の不安である。自分に自信がない。その不安を解消するために、すべての期待を子供にかけたのだ。かくて、子供は自分の個性を親の願望によって破壊されたのである。
自殺にまで追いやらずとも、自分の不安をごまかすために、何らかの破壊を行なっていないか自己点検する必要がある。不安を他に転嫁するのでなく、自分の中にある不安や悪の存在を、しっかりと見つめる義務があると思う。
(縦糸横糸より)
この親は、子供の幸福を願ってというが、一番根本にあるのは、親の不安である。自分に自信がない。その不安を解消するために、すべての期待を子供にかけたのだ。かくて、子供は自分の個性を親の願望によって破壊されたのである。
自殺にまで追いやらずとも、自分の不安をごまかすために、何らかの破壊を行なっていないか自己点検する必要がある。不安を他に転嫁するのでなく、自分の中にある不安や悪の存在を、しっかりと見つめる義務があると思う。
(縦糸横糸より)