呼び水と真骨頂

 世の中には、うまいものがたくさんある。その中で、食べる商売は大変だ。以前、バイヤーの方に聞いたことがある。「売れるものは必ずおいしいとは限らない」と・・。CM、パッケージなど様々な要因があり、「売れる」ということに結びつくのだろう。

 今回も飲食店の話をしよう。
 仮にA店としよう。この店は開店1周年、何を食べてもうまい。しかし、お客はそんなに多くない。広告も2回ほど出したが、まだまだ。もっと客が来てほしい。
 そこで新商品「B定食」を開発し、広告に出した。よそでは考えていない、新しい切り口だ。客の評判も上々。ここで作戦を立てる。この商品は利幅が少ない。いわゆる「呼び水商品」だ。

 お客様への会話、アプローチとして大切なのは、「B定食」を食べにきたお客様は目的が明確・・B定食を食べること。よって、B定食の内容も熟知している。ここで大切なのは「A店」の真骨頂である商品、メニューを説明することだ。
 普通、考えるのは「B定食」の詳しい説明ばかりに固執する場合があることが危ない。お客の中には「B定食」を食べれば目的達成とばかり、ポイ捨て状態にする場合がある。よって、リピーター化をはかるため、A店の真骨頂である料理技術を事細かく説明し、次回に来店するきっかけを作ることが大切なのではないか。
 これが例えば惣菜店だったら・・仮に「Cフライ」という呼び水商品を毎週1回、限定販売をするため、広告を出す。すると、客は「限定」という言葉に弱く、早めに足を運ぶ。大切なのは、このときの品揃え。「Cフライ」の周囲に、店として本当に買ってもらいたい商品を豊富に置き、この商品の説明をすることだ。ついでに、次回の商品もPRできれば万全だ。そうすることにより、リピートするきっかけを作る。これが俗に言う「PDCAサイクル」か・・。
 
2008.03.01:主人:[商売の考え]

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