商売は動くこと。

 今は景気がいいのか、悪いのか・・。
 先日、仙台に行ってきた。有名百貨店はお客でいっぱい。決して、不景気ではないような気がする。みんな、金、持っているね。

 商売の基本に「損して得とれ」という言葉がある。しかし、今はできるだけ損をしないように・・どちらかというと「守り」に入っている。しかし、これでいいのでろうか。格差というが、格差の裏には、それなりの理由があると思う。

 さて、割烹を例にして、考えてみよう。
 小さな町に老舗の割烹がある。ここは代々続く割烹である。つまり、名前が知られており、営業はほどんどしない。つまり「待ち」の姿勢である。しかし、売り上げというと、町内でもトップクラスという訳ではない。
 最近、息子が帰ってきた。東京で修行をして、帰ってきた。
 こういう場合、老舗がゆえに、世の中を察知していない場合が多い。年寄りが死に、アパートがたち、新しい世帯が入っている世の中の動きを知らない場合が多い。自分の店は知られているという過信がある。広告も出していないのに、何を食べられるのか、以外と知られていない場合が多い。
 それでいて、「最近は暇だなー」と言う。お金が欲しかったら、動け!と思う。広告でもいい、ネットでもいい、自分の足で稼いで、事業所回りでもいい。だいたい、こういった事業所の女将や主にいうと、「忙しい」という言葉が返ってくる。大した忙しくもないのに・・。まず、できない理由を言う場合が多い。上手に商売をしている人は、時間をつくるのがうまい。忙しさの中に「自由時間」を上手にとったり・・「できる理由」を最初に考えたり・・。
 割烹の場合、何も新商品を作れとまでは言わない。旬の食材を使った料理を紹介するだけで十分だ。ターゲットを明確にする・・家族向けなのか、会社帰り向けなのか・・これもとても大切だ。

 じゃ、季節柄、「雛膳」というしよう。
 帰ってきた「息子」に、雛膳を頼んでみた。ちょっと待て・・意外と世の中の人は息子さえも知らないかもしれない。結構、みんなは無関心だから。
 雛膳に話を戻す・・試食してみた。おいしい。値段は?・・1500円。まずまずか・・。
 しかし、次の言葉にカチンときた。
 「この料理ですと、東京では5000円コースですね」と自慢げに言う。
 この馬鹿息子!! ぬけぬけという言葉がまだ若い。
 東京の5000円のコースには、まず地代がある。固定資産税が高いぞ。そして、料理の技術料。お前のあさはかな料理技術と熟練した料理技術・・たとえ見栄えが一緒でも人件費が違う。ここは田舎だぞ!

商売している人、とにかく動こうよ。みんなはあなたが思っている以上に、あなたのことも店のことも知らないよ。割烹であれば、料理がおいしいかどうかは、あなたの存在、店の存在を知らなければ、料理の味どころじゃないぞ。
 自分の足で大きい会社などを回って、頭を下げようよ。そしたら、少しずつ、何とかなるよ。
2008.03.01:主人:[商売の考え]

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