ブログ記事タイトルの「語用論」は、「誤用論」ではなく「御用論」です。
時代劇で岡っ引きが十手(じって)を手にして言う「御用だ!」「御用だ!」の「御用」です。
なんだか面倒くさい始まりとなってしまいました。
今年もどうぞよろしくお付き合いください。
さて、ちかごろ気になっている言葉があるのでご紹介させていただきます。
この本は図書館から借りさせて頂き、ブログを書かさせていただいています。
なにかとイラっとする「~させていただく」について、スカっとする回答めいたものを探していたところ、この本を見つけました。
「させていただく」の語用論 ー人はなぜ使いたくなるのかー 椎名美智著
本によると「させて頂く」には許可を乞う、へりくだる、する・やる(動詞)など多くの意味を含んでいます。
違和感を感じる部分を私なりに解説してみます。
・ちかごろ気になっている言葉があるので「ご紹介させていただき」ます。
→誰に許可を乞うているのか不明です。
・この本は図書館から「借りさせて頂き」、
→何に対してへりくだっているのでしょうか。
・ブログを「書かさせていただいて」います。
→不要な「さ」が入った「さ入れ言葉」です。
→誰かに聞くまでもなく、実行しますよね。
「~させていただく」に違和感を感じる人が多い背景には、他者との距離(心理的、人間関係、社会的など)が関係しているのではないか、ということです。
空気を読む、場の雰囲気を汲み取る、行間を読む、など明示されていない場の雰囲気を読む要求が高まってきているのではないか、と思います。
言葉は生きているとはいえ、違和感を感じる使い方であるということをご紹介させていただきました。(笑)