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新花巻図書館の立地問題の決着に向けて…市議会3月定例会が開会~市民会議の発言時間はたったの2分間!!??

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 「市民会議には、42名の方が4回すべてに参加していただいたほか、19名の方が3回、6名の方が2回と多くの市民の方にご参加をいただいております。ご参加いただいた市民の皆さんには、新花巻図書館の建設候補地について真摯に話合いをしていただき大変感謝しております。市といたしましては、市民の皆さんの対話による市民会議で出された意見を非常に重く受け止めて、建設候補地を定めるための判断材料として尊重して参りたいと考えております」―

 

 新花巻図書館の立地問題や総合花巻病院の再建問題などの重要案件を審議する花巻市議会3月定例会が26日に開会。上田東一市長は新図書館の立地問題への早期解決へ向けた決意を冒頭のように述べた。それにしても…。この数字をもって「多くの市民」と言ってのける心性には驚き入るばかりである(22日付当ブログの追記参照)。今回、意見集約をするための対話型「市民会議」に欠かさず参加したある市民はこう語っている。「真摯な話し合い」というその中身は…

 

 「ディベートではなく、対話によるという話し合いのルールが毎回、強調された。相手を説得したり、納得させたりせずに共通理解を図るというもの。発言時間は1人2分以内(4回目は3分)とされ、グループ内の雰囲気や時間を気にしながら、自分の言いたいことを選び、まとめるのは大変なことだった。言いたいことが十分言えないモヤモヤを感じて終わった。市民とともに作り上げた結論であるという大義名分が必要なのだろうか。建設地を決定できない市が最後の頼みの綱にしたのが対話型の話し合いという市民の声だったとさえ思われた」

 

 その一方では…「581億7,862万円」―。令和7年度当初予算案として、前年比5・5%増の過去最高額が計上された。任期の最後になる予算計上だけにその執行に期待が寄せられているが、果たして…。これといった“サプライズ”も見当たらない内容に辛口筋からは「カロリーメイト型オワコン」予算とのネーミングも。和訳すると「賞味期限が切れた総花」予算ということになるかも。納得。

 

 今議会には「新花巻図書館整備特別委員会等の設置を求める」―陳情が提出され、議会運営委員会に付託された。提出者の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(瀧成子代表)は「立地問題が大詰めを迎える中、(令和2年末に解散した)議会側の特別委員会を再設置してほしい」としている。一般質問は3月3日から4日間で、会期は3月19日までの22日間。図書館と病院関連の質問者は以下の通り(敬称略)。

 

 

 

<図書館関連>
 

・本舘憲一(はなまき市民クラブ)、伊藤盛幸(緑の風)、羽山るみ子(はなまき市民クラブ)
 

<病院関連>
 

・鹿討康弘(緑の風)、阿部一男(社民クラブ)、羽山るみ子(はなまき市民クラブ)

 

 

 

 

 

 

(写真は任期最後となる市長演述(施政方針)を述べる上田市長=26日午前、花巻市議会議場で、インターネット中継の画像から)

 

(続)「黒塗り公文書の闇を暴く」…土下座「外交」ならぬ、まるで土下座「行政」~JRとの土地譲渡交渉、そして民意って、な~に!!??

  • (続)「黒塗り公文書の闇を暴く」…土下座「外交」ならぬ、まるで土下座「行政」~JRとの土地譲渡交渉、そして民意って、な~に!!??

 

 「市側で図書館の整備場所が決定し、市の意向として正式に当社敷地を買わせて下さいとなれば、その段階で初めて当社において敷地の譲渡額を算定するために不動産鑑定評価を実施する必要性が生じるが、市側で建設場所がどちらになるか未だ分かりませんという今の状況下において、当社が不動産鑑定評価を実施する理由、必要がないということである」(令和5年7月28日付のJR発言)―

 

 文書開示請求した(令和6年12月12日付)「復命書」から、新花巻図書館の建設候補地のひとつであるJR花巻駅前のスポーツ用品店敷地の譲渡交渉をめぐる生々しいやり取りが明らかになった。そこで浮き彫りになったのは「駅前立地」の確約を一刻も早く、取り付けたいというJR側の強気の姿勢だった。

 

 「譲渡面積は約3,664平方メートル。譲渡価格は市の不動産評価額と同程度の1億3千万」―。2023(令和5)年11月24日、1年2か月ぶりに開かれた第13回「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」の場で、JR用地の譲渡条件が初めて明らかにされた。数カ月に及ぶ協議の末の妥協の産物だった。開示された復命書は令和5年1月11日から同年11月10日までの間に開催された8回の会議の復命記録。例によって、黒塗りされた“のり弁”には変わりはないが、判読可能な行間からは双方のギリギリの攻防戦の様子が垣間見えてくる。

 

 「何回も言うが、まだ場所が決まったわけではないので、具体的な話はその段階でということである」、「花巻市の図書館整備事業に可能な限りの協力はしたいが、収入の減少幅を考慮した場合に、全部の用地を売却するのは難しい」、「そのような駐車場の必要性はあるのか。駐車場を新たに整備するのではなく、駅直結という利点を活かし公共交通をご利用くださいという考えになるのではないか」、「現段階で土地代を対外的に示す必要があるのであれば、市側で不動産鑑定評価を実施していただくことが良いのではないか」、「前回申し上げたとおり、この額がイコール売買額にはならない」…

 

 不動産鑑定を要求する市側とそれをかたくなに拒否するJR側―この辺に双方の力関係の差が歴然と見えるような気がする。「駅前立地の確約書(手形)を持ってきたら、JR側としての正式な譲渡価格を提示する。しかし、(土地代については)『現時点では』という言葉を入れたほうがよろしいかと思う」…駅前立地に固執する市側の足元を見透かしたようなJR側の高飛車の姿勢を見るにつけ、実質的な“仮契約”はすで結ばれているのではないかという錯覚さえ覚えてしまう。一連のJR発言の背後からは「早急に駅前立地を決定せよ。それが無理なら(交渉は)なかったことになる」―こんな無言の圧力が伝わってくる。退路を断たれた敗者の趣(おもむき)である。

 

 それにしても市側がなぜ、これほどまでに「駅前立地」にこだわるのかというナゾは依然として、残ったままである。「なぜ、病院跡地ではダメなのか…」。もっと、深い闇が背後にうごめいているのかもしれない。

 

 立地場所の意見集約をするための対話型「市民会議」は2月15日、全4回にわたった会議が終わった。参加者によるヒアリングシートの中間報告では、病院跡地より駅前への立地を望む意見が若干上回ったと報告された。その際の設問は「都市(建築)計画的視点」に立脚した「活性化」「アクセス」「周辺環境」「駐車場」「費用」など10分類からなっている。図書館というよりもいわゆる「ハコモノ」を対象にしたアンケート調査といった類(たぐい)である。正式な集計は近く公表される予定だが、仮に「駅前立地」が確定すれば、駅橋上化(東西自由通路)と相まって、JR側の手の平で踊らされた“土下座”行政の実態が白日の下にさらされることになる。

 

 当ブログでも再三引用してきたが、これまでの経過を一番わかりやすい形で表明した「上田」語録を総括の意味で以下に再録する。2022年6月28日、松園地区で開かれた市政懇談会での発言である。

 

 「駅前の土地については、購入するためにJR本社の社長の許可が必要となる。現在でも盛岡支社と話し合いをしているが、花巻市としてJRの社長が許可を出した際には図書館を建設するという決定に近い話がなければ社長に話せないと言われている。JRは花巻駅の橋上化をやりたいと思っており、橋上化の話が進めば、土地の売買について真剣に話をしてくれる可能性はある。橋上化がなくなった際には、駅前に図書館を建設することについてもどうなるか分からない」(会議録より)―

 

 

 

 

(写真は発言者の肩書だけが開示された“のり弁”の典型例)

 

 

 

 

《追記》~民意って、な~に?「ウソをつく数字とつかない数字」!!??

 

 

 「駅前か病院跡地か」―。「百年の計」とも言われる文化の殿堂・新花巻図書館の建設場所を決める対話型「市民会議」の最終集計に注目が集まっている。意見が別れる場合、公正中立の形での判定に委ねるのは通常のやり方である。しかし、今回の市民会議の構成を知って、その数字のマジックに驚いた。以下の数字に目を凝らしていただきたい。市側は「多くの市民の方にご参加いただきました」(2月19日開催の記者会見)とうそぶいて憚らない。逆ではないのか。この数字の羅列はまさに「ウソをついている」としか言いようがない。ちなみに「ウソをつかない数字」は18日付当ブログの棒グラフである。

 

 89,656人(令和6年12月末現在の市人口)→3,500人(全人口の中から無作為抽出で選別)→75人(会議への参加希望者)。市側の説明ではこういう手順を踏んで、市民会議を構成したという。では、実際の会議出席者はというと―。65人(第1回)、64人(第2回)、57人(第3回)、53人(第4回)と回を追うごとに減少。全会議(4回)に出席したのは半数を若干上回る42人、3回が19人、2回が6人で、8人は一度も出席しなかったことが判明した。

 

 しかも最終回、ヒアリングシートの記入欄に「(場所は)どちらでもよい」と答えた人が半数に近い25人にも上ったという。その一方では、病院跡地への立地を望む署名が最終的に10,269筆に達している。いずれ場所がどちらに決しようが、今回の市民会議の構成にある種の不透明さが残る以上、当該会議に判定を委ねること自体、将来に取り返しのつかない禍根(かこん)を残すような不安を覚える。賢治の理想郷「イーハトーブ」の図書館誕生劇に暗雲が漂いつつある。

数字が物語る「上田失政」の計量的な分析…隣市・北上との差が歴然!!??

  • 数字が物語る「上田失政」の計量的な分析…隣市・北上との差が歴然!!??

 

 「東芝(現キオクシア)などの企業進出で北上市は、工業都市としての発展がほぼ約束されたと思う。しかし、せっかく文学的な風土があるにもかかわらず、その象徴になるものがない。“工業砂漠”だけにはしたくない」(昭和59年1月25日付「岩手日報」)―。当時、北上市長だった斎藤五郎さん(故人)が40年以上も前に語ったこの言葉が最近、つとに脳裏によみがえる。迷走を続ける新花巻図書館問題との気の遠くなるような乖離がその要因である。

 

 詩歌に特化した全国唯一の図書館である「日本現代詩歌文学館」は斎藤市長のこんな熱い思いが実って、平成2(1990)年5月20日、市制施行30周年事業として正式にオ-プンした。4年後には黒沢尻工業高校の移転に伴い、その跡地に自然美豊かな「詩歌の森公園」が誕生した。10数年の歳月と総工費約26億円をかけた大事業だった。「駅前か病院跡地か」―ある種、不毛な立地論争に揺れる上田市政と「工業砂漠」に文化の拠点を築き上げた斎藤市政。「哲学不在の行政は行政にあらず」…ふと、隣り合わせの行政の実態を数字を使って、読み解いてみたいと思った。

 

 私の手元に「岩手県市町村民経済計算年報」(令和6年5月、県ふるさと振興部)という統計資料がある。自治体ごとの総生産量や所得分配、人口動態などの指標をまとめたもので、期間は平成23年度から令和3年度までの10年間。そのうち、上田東一市長が初当選した平成26(2014)年の以降8年間の統計を比較してみた。「数字はウソをつかない」―。目をショボショボさせながらにらめっこするうちに、その目が点になった。花巻・北上両市の指標の比較は―

 

▼385,000円(令和3年度時点の所得格差)~市民一人当たりの年間所得額は当市が総額で2、519千円、北上市が2,904千円。ちなみに、上田市長の就任時に比べても80千円少なくなっている。また、この8年間、所得額が北上市を上回ったことは一度もない。

 

▼14・4(令和3年度時点の所得指数の比較)~県平均の指数を100として、当市が94,北上市が108・4。当市が100を上回ったことは一度もないのに対し、北上市は常時上回った指数を維持している。

 

▼990人(令和3年時点の人口動態比)~令和2年度までは当市が人口比で北上市を上回っていたが、令和3年度は北上市が93,249人となり、当市の92,259人を逆転、県内の第4位へ。その後も当市の人口は減り続け、市長就任時に98,456人を数えた人口は令和6年12月31日現在で89,656人と8,800人もの激減。上田市政下ではざっと、年間千人弱の減り幅になっている。

 

▼1、155人(令和4年時点での人口の自然減)~一方、県保健福祉年報(人口動態編)によると、出生数から死亡数を引いた人口の「自然減」は北上市が633人だったのに対し、当市は2倍近い1,155人。さらに令和4年時点の当市の死亡者数は1,609人で、北上市の1,133人に比べて476人も多かった。不気味な数値である。急激な人口減の背景にはこうした自然減が大きく作用しているのは明らかだが、周産期医療に対する多額な財政支援や総合花巻病院に対する巨額な赤字補てんなどが人口減に歯止めをかけるに至っていないことも逆に裏付けている。

 

 

▲9,060,330,000円(令和5年度の当市のふるさと納税の寄付額)

 

 上田市政は財政健全化の証として、事あるごとに「ふるさと納税」(イーハトーブ花巻応援寄付金)の好調さを挙げてきた。そして、令和5年度には全国市町村(1,735団体)の中で堂々の第13位にのし上がった。上田市長が留飲を下げたくなる気持ちは分からなくもないが、この巨額な寄付金は一体、どこへ。移住定住や子育て世代への支援を手厚くしているという割には人口減少への歯止め効果は見られず、市民生活の向上にはほとんど資していないということを上記の数値は如実に物語っている。

 

  いまは亡き斎藤・元北上市長が詩歌文学館の計画を議員全員協議会に提案した際、議場は割れるような拍手に包まれ、「市長、やり遂げろよ」という檄(げき)が飛び交ったという。新花巻図書館の立地場所を最終的に決める市議会3月定例会は2月26日に開会する。市民は固唾(かたず)を飲んで、その成り行きを見守っている。

 

 

 

 

(写真は県平均との所得格差を示す花巻・北上両市の棒グラフ)

 

 


《追記》~豪華絢爛にして百花繚乱!?

 

 「市民の暮らしを守る/多彩な支援策で/安心のまちづくり」―を旗印に掲げた令和7年度一般会計当初予算(案)が公表された。総額581億7,862万円で、前年度比5・5%の増。重点施策として「子ども・子育て応援プロジェクト」(88億3,152万円)と「花巻で暮らそうプロジェクト」(24億8,601万円)の実現を掲げ、人口減対策に重点を置いた内容になっている。大盤振る舞いは良しとするが、その実効性のほどは…。上記ブログのもうひとつの「数字」を重ね合わせると、ため息も。詳しくは以下から。

 

令和7年度一般会計予算等について_説明資料 (PDF 2.9MB)新しいウィンドウで開きます

 

 

 

「降格処分は無効」…花巻病院「訴訟」で、原告側が勝訴~司法が病院側の様々な不法行為を断罪!!??

  • 「降格処分は無効」…花巻病院「訴訟」で、原告側が勝訴~司法が病院側の様々な不法行為を断罪!!??

 

 公益財団法人「総合花巻病院」(大島俊克理事長)を相手取り、降格処分の無効などを求めていた民事訴訟について、盛岡地方裁判所花巻支部の平古場郁弥裁判長は7日、原告の訴えを認める判決を言い渡した。訴えていたのは同病院に勤務する臨床工学技士の吉田雅博さん(46)。訴状によると、吉田さんは2020(令和2)年2月1日付で、移転・新築前の同病院に臨床工学室技士長として採用されたが、2023(令和5)年2月1日付で、技士長から「主任級」の技士に降格された。提訴は同年5月30日付で、精神的な苦痛などに対する慰謝料を含め、総額1,160万円の賠償を求めていた。

 

 この日の判決で平古場裁判長は「技士長であることを確認する」として、降格処分の無効を言い渡した。さらに降格処分に伴い、管理職手当が月額3万円から1万円に減額されたことについては「減額分に年3%を加算して、支払うよう」―被告の病院側に命じた。慰謝料請求については減額になったが、名誉回復という点では完全勝訴と言える。判決後、吉田さんはこう語った。「孤独な戦いだったが、挫けないでここまで来れたのは、提訴を知った市民の皆さんやそっと、励ましの言葉を寄せてくれた同僚のおかげだったと感謝したい。『一隅を照らす』という言葉が好きだ。今回のささやかな戦いの成果が病院全体を照らしてほしい」―

 

 吉田さんは裁判に踏み切った当時の気持ちをこう語っていた。「解雇もほのめかされた。なかば“監禁状態”の中で無理やり、(懲戒処分の)同意書を書かされた。その時は恐怖心にかられたが、いのちに関わる医療の実態を闇に葬ってはならないと思い、裁判を決意した」―。ある時、「患者さんに安全で質の高い医療を提供するためには、医師と看護師との有効なコミュニケーションが必要だ」という趣旨の提言書を医療安全担当者の会議に提出した。病院側の態度が急変したのはこの直後だったという。

 

 証人尋問を傍聴した際、私は被告側の口裏を合わせたような、吉田さんに対する“人格攻撃”に唖然としたのを覚えている。いのちと健康を守るべきはずの医療現場で、モラルハザード(倫理崩壊)が蔓延している実態を目の当たりにしたからである。証人席に立つ吉田さんの後姿を見ながら、私はこの孤高の裁判を支えたもうひとつの“秘密”を思い出していた。ある時、吉田さんは独り言のようにつぶやいた。「孤独に耐えられなくなりそうな時は『夜と霧』を何回も読み返しました」。第2次世界大戦中、ナチスの強制収容所に収監された人たちの拘禁心理を描いたヴィクトール・フランクルの代表作(1946年)である。

 

 総合花巻病院は2020(令和2)年3月2日、現在地〈市内御田屋町〉に移転・新築した。総工費86億9千万円のうち、市側の補助金は19億7500万円で、病院側の自己資金はわずかに1億円だった。こんな綱渡りの経営が続いた結果、オープンからわずか4年余りで倒産の危機に見舞われ、昨年3月に市側から5億円、金融団側から6億円の計11億円の財政支援を受けた。その後、経営刷新やガバナンス(内部統制)の強化などを盛り込んだ「改定事業再生計画」を策定し、年度内をめどに「公益社団法人」への移行や人事の刷新などを行うことにしている。今回の訴訟によって、病院側の”医療崩壊”の一端が明らかになった。市や金融団など支援する側の監視強化が一層、求められることになる。

 

 病院側が判決を不服として、控訴するかどうかはまだ、わからない。しかし、倒産の土壇場まで追い詰められた病院側にいま求められるのは…「愛は人を癒(いや)し、誠(まこと)は病を治す」―という創設時の病訓の原点に立ち戻ることであろう。

 


 

 

(写真はオープンを前にした病院の全景。華やかな門出だったはずが…=インターネット上に公開の写真から)

 

 

 

 

《追記》~驚くべき”人権侵害”の実態~判決文を入手!!??

 

 上記「吉田裁判」の判決文を13日に入手した。「改定事業再生計画」が大詰めを迎える中、まるで底なし沼のような病院内部の退廃ぶりに市民の中にはその先行きを不安視する声も出ている。

 

 判決理由の中で平古場郁弥裁判長は原告側の訴えの核心部分をほぼ認めたうえで、「本件降格処分は違法無効である」と断罪。さらに、原告側がけん責処分を受けた際、その旨を院内に掲示したことについては「本件けん責処分は違法無効であり、不法行為に該当する」としたうえで、「原告の社会的評価を低下させたものといえる。そのため本件掲示は原告の名誉を毀損(きそん)したものとして、不法行為に該当する」と明言している。

 

図書館立地の意見集約…「災害リスク」への不安の声が~建設場所の決定に影響か!!??

  • 図書館立地の意見集約…「災害リスク」への不安の声が~建設場所の決定に影響か!!??

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の立地場所を話し合う対話型「市民会議」(75人で構成)の2回目までの中間報告がまとまった。「活性化」「文化歴史」「周辺環境」「アクセス」「防災」「安全」など11項目のキーワードごとに判定する手法で、双方のメリット・デメリットを比較検討した。第4回目となる2月15日の会議の結果を受けて、市側が最終的な立地場所を決定することになる。中間報告によると、双方の判定結果の上位3は以下の通りになっている(かっこ内の数字は発言件数)

 

<メリット>
 

・花巻駅前~①アクセス(73件)②周辺環境(32件)③活性化(21件)
・病院跡地~①周辺環境(41件)②連携(16件)、土地(16件)③駐車場(11)、費用(11)

 

<デメリット>
 

・花巻駅前~①周辺環境(33件)②土地(14件)③駐車場(9件)、費用(9件)
・病院跡地~①アクセス(53件)②安全(18件)③周辺環境(9件)

 

 

 「これって、商業施設かエンタメ施設を立地するためのアンケート調査ではないのか」―。この数値を見た瞬間、そう思った。たとえば、立地判定の決め手になっているキーワードのひとつが「アクセス」(駅近VS駅遠)。「駅前」立地のメリットの場合、そのアクセスの利便性を生かした「賑わい創出(活性化)」という発言が目立っている。一方、病院跡地のデメリットの筆頭もそのアクセスで、市民会議の参加者の判定基準が「足の便の良し悪し」に軸足が置かれていることが浮き彫りになった。

 

 総じて「図書館」立地とはかけ離れた論議に終始し、「(図書館は)人の集まるところに立地するのではなく、人を呼び寄せる立地空間こそが図書館である」―。こんな持論を持つ私にとっては何かハシゴを外されたような気分である。さらに、市民会議に実際に出席したのは第1回目が65人、第2回目が64人、第3回目はわずか57人に止まった。構成定数(75人)を大幅に下回る人数での判定が真に民意を反映するものだと、当局側は本気で思っているのだろうか。仮に“アリバイ作り”だとしても余りにも稚拙ではないか。さらにその一方では…

 

 「災害区域が近いので怖い」、「土砂(災害)の危険は本当にないのか」、「地盤沈下が不安」…。病院跡地のデメリットとして、その「安全性」に不安を訴える発言が18件に上ったことが分かった。きっかけは、当該図書館用地が急傾斜崩壊危険区域や土砂災害警戒区域などにすっぽり囲まれていることが比較調査報告書で明らかになったことだった。立地に伴う「メリット×デメリット」という次元以前の立地そのものの是非にもかかわりかねない“災害リスク”の表面化に市民は大きな戸惑いを見せている。なぜ、このタイミングなのか…

 

 この地には100年間の長きにわたって、市民のいのちと健康を守るための総合花巻病院の病棟群が建ち並んでいた。市側は「立地の安全性は担保されている」と言うが、市民の不安を払拭するためにも安全性を証明する科学的な根拠と病院経営が可能だったこれまでの経緯について、きちんと説明すべきである。そうでなくても、一部の議員が病院跡地へのネガティブキャンペーンの片棒を担ぐなど”世論誘導”の陰もちらつき始めている。「100年の計」とも言われる「知のインフラ」(公共図書館)の行く末の選択を誤ってはならない。

 

 上田東一市長肝いりの住宅付き図書館の「駅前」立地構想が降ってわいたのは、ちょうど5年前。定住促進と家賃収入を当てにした“儲かる図書館”が旗印だった。その同じ場所がいままた、立地論争の渦中にある。図書館に一家言を持つフランス文学者で思想家の内田樹さんのある講演録から、その一部を以下に引用する。

 

 「図書館の社会的有用性は来館者数とか貸出図書冊数とか、そういう数値によって考量されるべきだというのは、いかにも市場原理主義者が考えそうな話です。図書館はふつうの『店舗』とは異質な空間です。だから、来館者数が何倍増えたことは図書館の社会的有意性が何倍になったことであるというような推論をして怪しまないようなシンプルマインデット(単細胞的)な人たちには正直言って、図書館についてあれこれ言って欲しくない」―。まるで、上田市長を名指しした発言みたいに聞こえてくる。

 

 

 

 

(写真は立地場所のメリット・デメリットを話し合う若者世代=花巻市のまなび学園で。HP上に公開のニュースレターより)

 

 

 

《追記ー1》~新興跡地が「無主地」へ。最悪の場合、永遠の“塩漬け”状態に…さて、病院跡地の行く末は!!??

 

 

 5日付の市HP上に「旧新興製作所跡地」について、「所有者のメノアース株式会社の破産手続きが終了した」―という旨の告示が掲載された。ひと口で言えば、がれきが放置されたままになっている「新興跡地」が所有者のいない「無主地」となったということである。最悪の場合、かつて花巻城があった当該跡地は荒れ放題のまま、その無惨な姿をまちのど真ん中にさらし続けることになりかねない。

 

 当該跡地は「公有地の拡大の推進に関する法律」(公拡法)によって、市側には優先取得権が認められていたが、就任直後の上田東一市長は「利用目的のはっきりしない土地の取得はすべきでない」と拒否。この時の「不決断」が今回の結末を招いたと言っても過言ではない。一方で3億円以上の対価を払って取得した「病院跡地」の利活用については未だに明言していない。それどころが、新図書館の建設場所に関しては、市有地の病院跡地を差し置いて、「駅前」立地を第一候補に挙げている。上田市政の政策矛盾はこんな形で顕在化しつつある。詳しくは以下から。

 

旧新興製作所跡地の所有者であるメノアース株式会社の破産手続きが終了しました

 

 

 

《追記ー2》~「森友」公文書改ざん問題で、上告断念へ。当市も”黒塗り”解禁を!!??

 

 

 石破茂首相は6日、加藤勝信財務相、鈴木馨祐法相らと首相官邸で会談し、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の公文書改ざん問題を巡り、文書不開示とした国の決定を取り消した大阪高裁判決を受け入れ、上告を断念するよう指示した。加藤氏が会談後、記者団に明らかにした。

 

 加藤氏は記者団に「誠心誠意職務に精励されていた方が亡くなられたことを考えれば、上告をせず判決を真摯(しんし)に受け入れるべきだと首相から指示があった」と語った。そのうえで「首相からの指示を踏まえ、判決の結論を受け入れることとする」と述べ、高裁判決を受け入れる考えを示した(6日付「毎日新聞」電子版)