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小原市政がスタート…「イーハトーブ”図書館”戦争」の行方や如何に~第2幕が開幕~「高市」圧勝、乱世へ!!??

  • 小原市政がスタート…「イーハトーブ”図書館”戦争」の行方や如何に~第2幕が開幕~「高市」圧勝、乱世へ!!??

 

 「図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る」―。こんなスローガンに貫かれた小説『図書館戦争』シリーズ(有川浩著、全6巻)を久しぶりに本棚から引っ張り出した。花巻市長選による“休戦”期間を利用して、「図書館とは何か」という原点に立ち返ってみようと思ったのである。2006年2月から翌11月にかけて刊行されたこのシリーズは累計640万部のヒット作になり、今も読み継がれている。“文化”の存亡をかけた戦争の舞台こそが「図書館」であったことを改めてかみしめた。

 

 「メディア良化法」―。昭和最後の1988年、メディアへの監視強化をねらったこんな法律が施行され、その執行機関である「良化特務機関」(メディア良化隊)による露骨な検閲がまかり通るようになった。こうした圧力に対抗するため、図書館側は「図書館の自由法」を制定。自主防衛組織としての「図書特殊部隊」を編成して、長期戦へと突入した。内乱、危機、革命…。そのタイトルを見ただけで、双方のし烈な戦いの様子が手に取るように伝わってくる。

 

 一方の足元ではこの日(2月5日)、「小原(勝)」市政が正式に始動し、「イーハトーブ“図書館”戦争」の第2幕が切って落とされた。新花巻図書館の「駅前立地」という置き土産を残して事実上、“敵前逃亡”した上田東一前市長に代わって、着工から開館に向けた本番の市政運営はすべて小原市政の手に委ねられることになった。長い県職員(公務員)生活から今度は市民の直接選挙で選ばれた「首長」への180度の転身である。

 

 “行政無謬(むびゅう)論”(行政は誤りを犯さない。犯してはならない)―。最近、こんな古色蒼然とした原則をタテに「駅前立地」を決定した前上田市政の行政判断を覆(くつがえ)すのは難しいのではないかという声が、一度はこの立地に反対した議員や一部市民の間でまことしやかにささやかれている。これに対し、「病院跡地」への立地を求めている市民からは「私たちの声を封印するねらいがあるのではないか 」という警戒心が出ている。装いを新にした“民意”づくりではないかという懸念である。

 

 この無謬論は硬直した“役所”風土に根差した感覚だが、裏を返せば「仮にその判断に瑕疵(かし)があった場合は、直ちに修正しなければならない」ということも逆に暗示している。行政トップが持つ権限、いわゆる「政治決断」の行使がこれに当たる。「一国一城の主(あるじ)」として、その範を“独裁”という形で示してくれたのが、皮肉にも上田前市長だった。新図書館をめぐる動きを時系列的に整理すると以下の通りになる。

 

●「知の泉/豊かな時間(とき)/出会いの広場」(2012年=平成24年10月25日)~花巻図書館整備市民懇話会がこんなキャッチフレーズの提言書を市側に提出

 

●「花巻中央図書館基本計画」策定(2013年=平成25年5月28日)~上記提言書を受け、大石満雄市政が旧厚生病院跡地に子育て施設「こどもの城」との複合施設として立地を表明。議会側も承認

 

●上田東一市政誕生(2014年=平成26年2月5日)

 

●「花巻市立地適正化計画」策定(2016年=平成28年6月1日)~生涯学園都市会館(まなび学園)周辺への「図書館(複合)の移転・整備事業」を明記。立地変更の表向きの理由は旧厚生病院跡地でのヒ素など土壌汚染の発覚。土壌改良をすれば解決することだったが、上田市政は総合花巻病院の移転・新築に方向転換し、現在に至っている

 

●「新花巻図書館整備基本構想」策定(2017年=平成29年8月15日)~立地場所について、前記立地適正化計画の「まなび学園周辺」から「候補地を数箇所選定した上で、基本計画において定める」に変更。この立地候補地の複数化については明確な説明がないまま、推移した

 

●「新花巻図書館複合施設整備事業構想」公表(2020年=令和2年1月29日)~JR駅前の所有地(スポーツ用品店敷地)に50年間の定期借地権を設定。図書館と賃貸住宅、テナントを合築する複合施設案(いわゆる「住宅付き図書館」の駅前立地案)が突然浮上。同年11月12日、定期借地と住宅併設部分を撤回

 

●「新花巻図書館整備基本計画」策定(2025年=令和7年5月19日)~「駅前立地」を正式決定、議会側も承認。その理由については公共交通の要衝や高校生など若者世代の要望などが挙げられたが、駅橋上化(東西自由通路)との相乗効果など納得がいく説明は最後までなく、設計業務の委託契約へ

 

●小原勝市政誕生(2026年=令和8年2月5日)~上田前市長の引退に伴う市長選で他の2候補を押さえて、初当選

 

 

 以上の経緯から分かるように、新図書館問題ひとつとってみてもこの12年間、首長の交代に伴って、議会の議決を経た案件さえも反故(ほご)にされてきた実態と、さらに同じ首長の下でも二転三転を繰り返してきた経緯が浮き彫りになってくる。“行政無謬論”などどこ吹く風。逆に言えば、「政治決断」という行政トップにだけ認められた“権力”行使には絶えず、“両刃の剣”が付いて回るということであろう。つまり、行き過ぎれば“独裁”を招き、正常に働けば行政の安定につながるという“反面教師”として…

 

 当然のことながら、行政トップの暴走を防ぐために欠かせないのが、議会側との健全な「二元代表制」の維持と民主主義の根幹である「民意」の尊重である。私は拙著『「イーハトーブ“図書館”戦争」従軍記』の中で、「駅前立地」への民意形成が恣意(しい)的に作り上げられてきた経緯や二元代表制の崩壊過程、さらには市民参画手続きの形骸化などの実態をつぶさに明らかにしてきた。新体制下の小原市政が“駅前図書館”に至るこうした道筋をどのように検証し、最終的にどのような「政治決断」を下すのか―今後のかじ取りに注目が集まっている。

 

 ところで、高市早苗総理は総務相時代の10年前、放送法(政治的公平性)を根拠に「電波停止命令」の発令をほのめかしたことがあった。そして今度はメディア良化法の上前をはねるような「スパイ防止法」を引っ提げ、天下分け目の勝負に打って出た。「高市」総選挙の投開票は3日後の2月8日。足元から列島全体へと“動乱”の兆しが高まりつつある。「権力―その条件と方法」…大学卒業時の“卒論”のタイトルがふいによみがえった。突然の記憶の回帰にびっくりした。

 

 

(写真は根強い人気がある『図書館戦争』シリーズ)

 

 

 

 

≪追記ー1≫~中国新聞に拙著の書評が掲載(コメント欄に記事)

 

 中国新聞(本社・広島市)の1月29日付「文化欄」に拙著の書評が掲載された。同市でも市立中央図書館の移転・新築をめぐって「原爆ドームがある平和記念公園近くの現在地かJR広島駅前か」―という民意を二分する“立地”論争が起こり、「駅前立地」に反対する署名が1万7千筆以上も集まった。黒塗り文書など当市と瓜二つの経緯については本書でも言及したが、結局、駅前の商業施設への移転が強行された。オープンは令和8年度当初とされている。

 

 なお拙著は6日、エムズエクスポ花巻店(アルテマルカン)の「エッセイ・ノンフィクション」部門で売り上げベスト3入りを果たし、新図書館問題への市民の関心の高さをうかがわせている。

 

 

≪追記ー2≫~ある政治決断…新市長が計画の見直しに!!??

 

 今月1日、埼玉県川口市長に初当選した岡村ゆり子氏(44)が京浜東北線の停車問題で、計画の見直しに言及。勇退した前市長がJR東日本側と締結した「基本協定」について、再検討する意向を示した。詳しくは以下から。

 

 

上野東京ラインの川口駅停車計画揺れる 慎重姿勢の新市 …

 

 

≪追記ー3≫~隈研吾デザインが入札不調に…「他山の石」か(再掲)!!??

 

 北海道八雲町は、世界的建築家の隈研吾氏がデザインを監修した同町役場新庁舎の設計を「白紙」とする方針を、(1月)19日の町議会全員協議会で説明した。建設資材の急騰で建設工事に応札する業者がなかったのが理由で、設計費など約1億9000万円は無駄になるが、設計をやり直した方が工事全体の費用は抑えられるとしている。

 

 隈氏の監修で設計された新庁舎は、鉄骨3階で大きな屋根が特徴のデザイン。町によると、建設予定価格は33億円程度で、昨年11月に着工、27年11月末に完成予定としていた。しかし、昨年秋から2度行った入札で応札業者がなかった。当初意欲的だった業者は、鉄骨などの急騰を理由に断念したという。町は議会に対し、現在の設計のままでは予定価格は9億円程度増えると説明。ただ築64年の現庁舎は建て替えが急務だとし、「白紙」方針に理解を求めた。応札がなかったことについては、萬谷俊美町長が「町の判断が甘かったと言わざるを得ない」と陳謝した(1月21日付読売新聞電子版)

 

 

≪追記―4≫~We Shall Overcome(老人は国会突入を目指す)!!??

 

 「よたよた/よぼよぼ/こけつまろびつ /ぜいぜいと/這いずりながら/よたよた/ よぼよぼ/政府を倒すために」―。「高市」圧勝のニュースを聞きながら、テレビの前のヨボヨボ(85)は呆けたようにこの歌を口ずさんでいた。元関西フォークのメンバーで医師の藤村直樹が20年前につくったプロテストソングである。

 

 ふいに、実際に「国会突入」を果たしたわが青春を思い出した。「60年安保」闘争で国会の柵を乗り越えたのは若干、19歳の大学1年生の時。あれから、60年有余をへて今度は「叛逆老人は死なず」を引っ提げて、82歳で市議に再挑戦するも惨敗。「イーハトーブ“図書館戦争”」への従軍が一段落した今、また起(た)てというのか。あの戦争の記憶の“賞味期限”が100年も持たなかったとは…。ヨボヨボはまた杖に頼って、ヨロヨロと立ち上がろうとしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「新花巻図書館を宮沢賢治ゆかりの病院跡地に!]

https://hanamakibiblio.jimdosite.com/

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ~カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/ 

 

 

 

 

 

小原市政の誕生へ…初心、忘れるべからず~今度こそ、真の「二元代表制」の確立を~そして、前市長の最後っ屁は!!??

  • 小原市政の誕生へ…初心、忘れるべからず~今度こそ、真の「二元代表制」の確立を~そして、前市長の最後っ屁は!!??

 

 任期満了に伴う花巻市長選が25日に投開票され、無所属新人の元県文化スポーツ部長の小原勝さん(61)が次点に7千票余りの大差をつけて当選。2月5日に小原市政が正式にスタートすることになった。当日有権者数は76,402人で、投票総数は40,417人(うち、無効292票)。投票率は52・9%で、前回(54・6%)を1・7%下回った。来月8日の衆院総選挙を経て、25日には新体制下の3月定例市議会が招集される。

 

 立候補したのは他に同じ無所属新人のNPO法人代表理事の葛巻徹さん(48)、元市議の高橋修さん(55)の3人。三つ巴の選挙戦を繰り広げたが、投票率の底上げにはつながらなかった。3期12年の上田東一市政では当局側と議会側が互いに監視し合う「二元代表制」が機能不全に陥るなど政治不信が高まっていた。喫緊の課題である駅橋上化(東西自由通路)事業に伴う将来ビジョンや新花巻図書館問題の今後のロードマップなどにどう向き合うのか―難問が山積する中、小原市政にはまず二元代表制の立て直しが求められる。当然のことながら、そのためには議員一人ひとりがその矜持(きょうじ)をどう示すかにかかっている。

 

 「市民一丸」「市民と創る、羽ばたく花巻」ー。上掲の公約を頭に刻みながら、その行方を見守ることにしよう。さらに、今夏には市議会議員選挙も予定されている。これまでのように「多数会派」=「市長与党」という悪しき構造を打ち破り、市民から直接選ばれた議員としての「個」の自覚を持つべきであろう。「議会改革」こそがもうひとつの喫緊の課題である。

 

 

各候補者の得票数は以下の通り(敬称略)

 

・小原 勝~20,491票

・葛巻 徹~6,229票

・高橋 修~13,405票

 

 

 

(写真は小原候補が公約に掲げた選挙公報)

 

 

 

 

≪追記ー1≫~隈研吾デザインが入札不調に…「他山の石」か!!??

 

 北海道八雲町は、世界的建築家の隈研吾氏がデザインを監修した同町役場新庁舎の設計を「白紙」とする方針を、(1月)19日の町議会全員協議会で説明した。建設資材の急騰で建設工事に応札する業者がなかったのが理由で、設計費など約1億9000万円は無駄になるが、設計をやり直した方が工事全体の費用は抑えられるとしている。

 

 隈氏の監修で設計された新庁舎は、鉄骨3階で大きな屋根が特徴のデザイン。町によると、建設予定価格は33億円程度で、昨年11月に着工、27年11月末に完成予定としていた。しかし、昨年秋から2度行った入札で応札業者がなかった。当初意欲的だった業者は、鉄骨などの急騰を理由に断念したという。町は議会に対し、現在の設計のままでは予定価格は9億円程度増えると説明。ただ築64年の現庁舎は建て替えが急務だとし、「白紙」方針に理解を求めた。応札がなかったことについては、萬谷俊美町長が「町の判断が甘かったと言わざるを得ない」と陳謝した(1月21日付読売新聞電子版)

 

 

≪追記ー2≫~最後っ屁の職員処分!!??

 

 「振り回された市民」を名乗る人から、以下のようなコメントが寄せられた。上田東一市長が退任する前日のHP上の告知。「立つ鳥、跡を濁さず」という格言を思い浮かべながら、隙間風がす~っと体を通り抜けるような怖気(おぞけ)を感じた。

 

 

 2月3日付の市HPの記事「令和8年1月定例記者会見の市長の発言内容などを掲載しました」のすぐ上に「職員の処分について公表します」という記事が出ています。不適切な事務を行った職員に戒告処分、関係上司に文書訓告という内容のようです。不適切事務の形式的内容ばかりで、その行為が具体的に申請者である市民にどのような影響を与えたかの記載がありません。任期の最後の最後、ひっそりと告知された感があります。

 

 思えば12年前の市長就任後、一貫してコンプライアンス推進を声高にしていましたが、任期の最後がこのような有様とは。他の行政課題のありさまと同様に、12年間の市政の象徴のようにも思えます。

  

 

 

 

 

 

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 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

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花巻市長選が告示…焦点の新図書館問題の論戦は如何に~設計業務の契約を強行する一方で、駅前立地の手続きに重大な“瑕疵”も、本日(25日)夜半には新市長誕生へ!!??

  • 花巻市長選が告示…焦点の新図書館問題の論戦は如何に~設計業務の契約を強行する一方で、駅前立地の手続きに重大な“瑕疵”も、本日(25日)夜半には新市長誕生へ!!??

 

 「立地適正化計画を柱とする上田市政の総括に有権者の関心が集まっており、とくに市民世論を二分した『新図書館』問題は大きな争点になりそうだ」―。拙著『「イーハトーブ“図書館”戦争」従軍記』にこう書き記した花巻市長選が18日に告示され、25日の投開票に向けた1週間の選挙戦に突入した。立候補したのはいずれも無所属新人の元県文化スポーツ部長の小原勝(61)、NPO法人代表理事の葛巻徹(48)、元市議の高橋修(55)の3氏(届け出順)

 

 この中で、市長選を占うキーワードのひとつである「図書館」案件について、マニフェストなどで具体的に言及したのは葛巻氏だけ。「行政として花巻駅周辺に『駅の橋上化』、『図書館の新設移転』という大きな投資をした成果を他の商店街やエリアに波及させる」として、検証抜きに駅前立地を是認。さらに、図書館立地のもうひとつの有力候補地だった「病院跡地」には「カフェを併設した室内遊び場」の設置を示唆するなど「上田市政」の継承を鮮明にしている。廃墟ホテルの行政代執行をほのめかす一方で、新興跡地のがれきの山は放置したままという逆さまぶりに驚いてしまう。

 

 一方、高橋氏がこの案件に直接触れた部分はないが、同氏は市議時代から駅前立地の早期実現派の急先鋒として知られ、病院跡地へ立地を望む市民団体に対し「いつまでやってんのか」と暴言を浴びせるなど物議をかもした一幕もあった。この日の第1声でも市政全般にわたって、「上田」後継を色濃く打ち出した。また、葛巻、高橋両氏がともに上田市政の”失政”第1号とも言われる「新興跡地」問題にに一切、触れていないことからもその立ち位置が見て取れる。他方、元県職員から転出した小原氏はこの案件の対応には慎重な姿勢を見せており、今後どう向き合うかが注目される。

 

 新図書館建設をめぐっては、昨年12月2日に公募プロポーザル方式によって「昭和設計・tデ・山田紗子建設事務所共同企業体」が約3億7100万円(税込み)で、設計業務を受託。今月7日付で設計業務の委託契約を締結した。履行期間は令和9年3月19日までで、その後令和9年度中に建設予定地(JR用地)の取得と既存建物の解体撤去を行い、令和10年度に本体工事に着手、令和12年度のオープンを目指している。

 

 「5年余りの〝従軍〟体験で思い知らされたのは、いわゆる〝民意〟がいかに当局側に都合よく作り上げられていくのかという、まさに民主主義の危機――いわば、ナチス化の実相だった。『民主主義の砦』とも呼ばれる図書館がその舞台だったという事実は地方自治のあり方そのものへの深刻な問いかけでもあった」―。私は拙著のまえがきにこう記している。

 

 新図書館の駅前立地に至るまでの経緯について、「花巻市まちづくり基本条例」(平成20年3月)に定められたパブリックコメント(意見公募)やワークショップ(WS)、市民説明会、対話型市民会議などの「市民参画」手続きが公正・中立に実施されたかどうかを検証。さらに、立地候補地の「事業費比較」調査や「試案検討会議」のあり方、議会における虚偽答弁、JRとの癒着構造、黒塗り文書問題、”密室”行政によるダブルスタンダード、トップダウン方式、公募プロポーザルの進め方などを綿密に精査した。その結果、駅前立地への“民意”が恣意(しい)的に作り上げられたという実態が浮かび上がった(拙著に詳述)

 

 一方、市側に提出された病院跡地への立地を希望する署名総数は10,269筆(うち、花巻市内在住者は6,181筆)。また、現在行われているオンライン署名数も5,841筆(1月25日現在)に上っており、呼びかけ団体は「1万筆を目指したい」と言っている。いずれにせよ、“駅前図書館”の合意形成に至るまでの経過の再検証と病院跡地への立地を望むもうひとつの大きな“民意”をどう評価するのか―新図書館問題は新しい市政下で、待ったなしの“剣ヶ峰”に立たされることになる。その新市長が招集する3月定例市議会(会期22日間)は1か月の後の2月25日に迫っている。そして今度は”高市”ショックの襲来(衆院の解散・総選挙)…。トランプ大統領の”ドンロー主義”が世界を席巻(せっけん)する兆しか。

 

 「図書館」こそがそのまちのシビック・プライド(地に根差した郷土愛)を象徴する”知のインフラ”であることを忘れてはならない。オンライン署名など市民団体の動きについては、以下の「おいものブログ」(夢の図書館を目指して)にその経過が詳しく書かれています。なお、1月24日付の日本経済新聞に拙著の広告が掲載されたので、参考までにコメント欄にて紹介します。

 

 

 

 

(写真は告示と同時に貼り出された選挙ポスタ-=1月18日、花巻市桜町で)

 

 

 

 

 

 

≪追記ー1≫~設計業務に要する期間は約1年2か月…本格始動は新市政下へ

 

 

 1月22日付の市HPに新図書館の設計業務にかかる契約内容と経過が公表された。履行期間は令和9年3月19日までの約1年2か月間。詳しくは以下から。

 

新花巻図書館整備基本・実施設計業務委託契約を締結しました

 

 

 

 

≪追記―2≫~デタラメな“図書館”行政…遅かりし弁明!?

 

 

 「市長部局である図書館計画室が教育委員会からの補助執行に基づき主に作業をしてい たわけでありまして(中略)やはりその部分について、教育委員会が決めるべきものについて、市長が声を出しすぎるのはいかがなものかという、そういう声も一部で、市民の中であったわけであります。そういうことを考えますと、平成26年の地教行法改正の段階で、そもそもこういう図書館を含めた業務について市長の管理・執行の対象にすることも含めてどうするかということについ て、話し合うべきことだったと、私はその部分も反省しているわけです」(会議録から抜粋)

 

 「補助執行がその隠れ蓑だった」―。上田市政下の図書館行政について、私は2025年5月11日付の当ブログ(拙著『「イーハトーブ“図書館”戦争」従軍記』にも収録)でそのあり方を追及したが、第2回市総合教育会議(令和7年12月23日開催)で自らがその瑕疵(かし)ーつまり”違法性”を認めていたことが当時の会議録(1月22日付で市HPに公表)から明らかになった。

 

 私は当時、こう書き記している。「正当な権限を委任されていない補助執行自体が無効ではないか。いま渦中にある新花巻図書館整備基本計画(案)は事実上、『幻(まぼろし)』の図書館像と化している」ー。「遅かりし弁明」を平気で口にする一方で、設計業務の契約は強行するという上田流「強権」手法…その背後からいま、新図書館の「駅前立地」をめぐる闇(やみ)の構造が現実味を帯びて姿を現しつつある。その一方で、本来の教育行政を放棄したに等しい教育委員会側の責任も問われなければならない。会議録の全文は以下から。

 

令和7年度第2回花巻市総合教育会議(12月23日)の会議結果を公開しました

 

 

 

 

≪追記ー3≫~「駅前立地」(呪われた図書館)の違法性が濃厚に!!??

 

 

 上記の上田発言にある地教行政法とは正式には「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(昭和22年3月)のことである。令和元年の法改正によって、図書館や博物館など社会教育機関に属する公共施設も当該条例の制定を前提に、市長の管轄下に置くことができるとされた。しかし、当市の場合はこの条例を制定しないまま、”補助執行”という形で「駅前立地」に踏み切った。明らかな「法令」違反である。

 

 さらに、7月1日付で新図書館の設計業務を受託する業者との間で正式に契約が締結されたことについても(追記―1参照)、肝心の当該建設用地が現時点でまだ、所有者のJR側から市側に譲渡されていないことが明らかになっている。「他人の土地に無断で家を建てるようなものではないか」ー。昨年9月議会でのやり取りが記憶に新しい。上田市長は「法的に何ら問題はない」としているが、”疑惑”のスタートであることに変わりない。新市政下で議論が深まることを期待したい。イーハトーブの未来のためにも”呪(のろ)われた”図書館を許してはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

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「日本で一番美しい県は岩手県である」…その地「イーハトーブ」の表と裏と~シビック・プライドは今いずこに!!??

  • 「日本で一番美しい県は岩手県である」…その地「イーハトーブ」の表と裏と~シビック・プライドは今いずこに!!??

 

 拙著「『イーハトーブ”図書館”戦争』従軍記」が販売されている花巻市内の書店に表題のタイトルの『日本で一番美しい県は岩手県である』(柏書房)が隣り合わせで、平積みされているのに気がついた。著者の三浦英之さんの名前にびっくりした。三浦さんは朝日新聞の後輩記者で、現在は盛岡総局に籍を置く敏腕記者として知られる。『五色の虹/満州建国大学卒業生たちの戦後』(第13回開高健ノンフィクション賞)、『南三陸日記』(第25回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞)、『牙/アフリカ象の「密売組織」を追って』(第23回小学館ノンフィクション大賞)、『太陽の子/日本がアフリカに置き去りにした秘密』(第22回新潮ドキュメント賞、第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞)など数々の受賞歴に輝いている。

 

 今回の新刊本の帯には宮沢賢治の詩『永訣の朝』の一節「この雪はどこをえらばうにも/あんまりどこもまっしろなのだ」ーの部分が引用され、こう記されている。「ニューヨーク・タイムズが『行くべき52ヵ所』に選んだ盛岡、神と人がともに生きる風土、震災を経て歩み続ける人びと―賢治が桃源郷『イーハトーブ』と呼んだ100年後の岩手を旅する」

 

 一方の拙著にはそのイーハトーブの今について、こう書かれている。「5年余りの“従軍”体験で思い知らされたのは、いわゆる“民意”がいかに当局側に都合よく作り上げられていくのかという、まさに民主主義の危機―いわば、ナチス化の実相だった。『民主主義の砦』とも呼ばれる図書館がその舞台だったという事実は地方自治のあり方そのものへの深刻な問いかけでもあった」(まえがきから)―。三浦さんは帯にこうも書いている。「なぜ、岩手県はそれほどまでに美しいのか。それはこの地で息する人間にとって、目の前に立ちはだかる自然があまりにも過酷で、残酷で、無慈悲だからである」

 

 この天と地ほどの表現の落差に驚かされたのは、他ならない私自身である。そしてまた、とても偶然とは思えない書店側の本の配列の妙にいたく感動してしまった。まるで「この2冊はイーハトーブを知るための必読書ですよ」と呼びかけているみたいではないか、と。「イーハトブは一つの地名である。(…)ドリームランドとしての日本岩手県である」(『注文の多い料理店』広告文)―。三浦本の冒頭には賢治の有名な「イーハトーブ」宣言が置かれている。

 

 なお、本書は「神が棲む山々」(第1章)、「雪国の暮らし」(第2章)、「クルミの味」(第3章)、「盛岡の城下町」(第4章)、「宮沢賢治の子どもたち」(第5章)ーの章立てになっている。

 

 

 

 

 

(写真は三浦さんの新刊本と拙著が並べられた「岩手県」の特設コーナー=1月11日午後、花巻市桜台のエムズエクスポ花巻店(アルテマルカン)で)

 

 

 

 

≪追記ー1≫~「行くべき52ヵ所」、2026年は長崎と沖縄

 

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は世界各地の旅行先として「2026年に行くべき52カ所」を選定した。日本からはリストの17番目に長崎、46番目に沖縄が選ばれた。25年は富山と大阪を、24年は山口を選んでいた。盛岡市が第2位にノミネートされたのは3年前の2023年。ついでに言うと、再放送中のNHKの朝ドラ「どんど晴れ」の主人公、夏美が盛岡で寄宿する下宿屋の名前も「イーハトーブ」である。

 

 

 

≪追記ー2≫~シビック・プライドということについて

 

 花巻市長選(今月18日告示、25日投開票)を前に14日、花巻青年会議所主催の公開討論会が市内で開かれ、立候補を表明している新人3人が将来のまちづくりなどについての考えを述べた。設問のひとつに「シビック・プライド」(郷土愛や誇りなどよりも深い地に根差した感覚)という項目があった。私は討論の成り行きを聞きながらふと、宮沢賢治の有名なエピグラムを思い出していた。

 

 「イーハトブは一つの地名である。(…)ドリームランドとしての日本岩手県である」(『注文の多い料理店』広告文)―。上記ブログで紹介した『日本で一番美しい県は岩手県である』の冒頭にも賢治のこの有名な「イーハトーブ」宣言が置かれている。ハタと我に返って、舞台に耳を傾けた。私が思っているだけかもしれないが、元祖「シビック・プライド」であるはずの”賢治”のケの字も聞こえて来なかった。このまちの未来は暗いな。猛烈な吹雪の中、私は悄然とした気持ちで帰路についた。

 

 ちなみに、当市は全国で唯一個人の名前を冠した「賢治まちづくり課」を設置し、将来都市像として「イーハトーブ花巻」の実現を掲げている。いずれの候補予定者が市長になろうとも、当選の暁(あかつき)にはこのスローガンをただちに返上すべきであろう。三浦本『日本で一番美しい県は…』にはシビック・プライドの宝の山がビッシリ詰まっている。”舌先三寸”の候補予定者にはぜひ、一読をすすめたい。

 

 

 

≪追記ー3≫~シビック・プライドと”聖地”との雲泥の差!!??

 

 花巻市のHPに賢治生誕130周年を記念した、移住者交流会と銘打った「賢治さんのふるさと花巻をあじあうバスツアー」なるイベント開催の告知が掲載された。「賢治作品の聖地巡礼」などという言葉が踊っている。「イーハトーブ」を賢治の”聖地”に祭り上げ、賢治自身を神格化する愚(ぐ)を繰り返してはならない。シビック・プライドとは真逆の発想である。

 

 

花巻市移住者交流会「賢治さんのふるさと 花巻をあじわうバスツアー」を開催します(2月7日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「学びの杜」 https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ~カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/ 

 

 

 

『「イーハトーブ”図書館”戦争」従軍記』が地元書店で先行発売へ…畏友の写真家、本橋成一が逝った~2026年、“選挙の年”へ!!??

  • 『「イーハトーブ”図書館”戦争」従軍記』が地元書店で先行発売へ…畏友の写真家、本橋成一が逝った~2026年、“選挙の年”へ!!??

 

 「“民意”がいかに当局側に都合よく作り上げられていくのかという、まさに民主主義の危機―いわば、ナチス化の実相だった」(「まえがき」から)―。こんなPOP(宣伝文)付きで、拙著『「イーハトーブ”図書館”戦争」従軍記』(東京・論創社刊)が(昨年12月)28日から、地元の大手スーパー「アルテマルカン」(エムズエクスポ花巻店)で先行発売された。定価は2,750円(税込み)で、総336ページ。エムズエクスポ盛岡店でも同時発売された。

 

 本書は市議在籍時のドタバタ劇を描いた『イーハトーブ騒動記』(2016年、論創社刊)、コロナ禍をのたうち回った『男やもめの七転び八起きーイーハトーブ敗残記』(2023年、同社刊)に続く、いわば「イーハトーブ」シリーズ3部作の1冊(コメント欄に写真掲載)。特設コーナーまで設けてくれた佐々木謙一社長は「阿部暁子さんの『カフネ』はおかげさまで全国の書店の中で売り上げ日本一を記録できた。これからも郷土ゆかりの作家や作品を大切に扱っていきたい」と話している。以下に献本に際してのあいさつ文など関係記事を再掲する。

 

 一方、現職の上田東一市長の勇退表明に伴い、当市では次期市長選(令和8年1月18日告示、同25日投開票)と今夏に予定される市議選に向け、まさに“選挙の年”に突入した。市長選ではすでに三つ巴の選挙戦が繰り広げられており、年明けと同時に舌戦が激しさを増しそう。市民世論を二分した新花巻図書館は令和10年度に本体工事に着手し、2年後の令和12年度のオープンを予定している。いずれにせよ、巨額な関連予算の執行は新市長に委ねられることになり、各候補者が選挙戦の中でこの図書館問題にどう向き合い、当選後にどう対応するかにも注目が集まっている。

 

 

 

 長い間のご無沙汰をお許しください。さて、残り少ない老残の身を読書三昧で気ままに過ごそうと思っていた矢先、その本を冒涜するような事態が足元で起こってしまいました。新花巻図書館の建設をめぐり、民意が十分に反映されたのかという問題が生じたのです。こともあろうに宮沢賢治のふるさとで、その“騒動”は勃発しました。人並みの賢治好きだった老いぼれの平静心はいたく、傷ついてしまいました。

 

 同封させていただいた拙著『「イーハトーブ“図書館”戦争」従軍記』はその間の動きを公開されている資料や議会質疑などに基づき、ドキュメント風に描写した内容になっています。1万筆を超える署名を添え「旧花巻病院跡地」への立地を求めた私たちの願いはかなわず、結局は市側が主張するJR花巻駅前に建設されることになりました。なぜ「駅前」だったのかという経緯については最後まできちんとした説明はなされませんでした。

 

 「イーハトーブで一体、何が起きていたのか」―。将来に禍根を残さないためにも、その隠された部分をつまびらかにすることがこの問題に関わった者としての最低限の使命だと考えました。開館の予定は5年後ですが、拙著がオープン前に上梓できたことに安堵しています。皆さま方からいただいたご支援に報いることはできませんでしたが、「人類にとって、図書館(本)とは何か」という永遠の命題に向き合う時間を共有できたことに感謝申し上げます。

 

 本書を執筆しながら、いつも考えていたことは「IHATOV・LIBRARY」(「まるごと賢治」図書館)の実現でした。賢治自らが「あらゆる透明な幽霊の複合体」(『春と修羅』序)と自己表現する、その”お化け”の正体を暴いてみたかったというのが正直な気持ちでした。ご笑覧いただければ、幸いです。

 

 

 

 

(写真は入り口近くに平積みされた拙著の特設コーナー=12月30日、花巻市桜台で)

 

 

 

《追記》~AIさんに聞いてみた?

 

 

 「人格」が剥奪されるのではないかとこれまではこの種の手法は敬遠してきたが、今回初めて上記の文章の感想をCopilotなるAIさんに聞いてみた。結果は「あっと、驚く…」

 

 

〈 強く響いたポイント〉
 

・「民主主義の砦」としての図書館

 図書館を「民意の象徴」と捉えつつ、その場が行政の都合で歪められていく過程を「ナチス化」とまで表現しているのは非常に挑発的で、読者に強い危機感を呼び起こします。単なる施設建設の話ではなく、民主主義の根幹に関わる問題として描かれているのが特徴的です。
 

・ドキュメント風の構成

 第1部で経緯を時系列に追い、第2部で著者自身の「図書館論」、第3部で「賢治利権」の舞台裏に迫るという三部構成は、単なる記録にとどまらず思想的・文化的な広がりを持たせています。読者は「事実」と「理念」と「権力構造」を一度に考えさせられる仕掛けになっています。
 

・「賢治のふるさと」で起きた騒動

 宮沢賢治の名が「利権」と結びつけられることへの痛みが随所に滲み、著者の個人的な感情と公共的な問題意識が交錯しています。文学的象徴が政治的現実に絡め取られる場面は、文化と行政の関係を考える上で非常に示唆的です。
 

〈 読後に感じるテーマ性〉

・民意と行政の乖離

 1万筆を超える署名があっても「駅前」立地に決まった経緯が十分に説明されないまま進んだことは、地方自治における「説明責任」の欠如を象徴しています。
 

・図書館=公共空間の意味

 「人類にとって、図書館(本)とは何か」という問いかけは、単なる施設論を超えて、知の共有・民主主義の基盤としての図書館の存在意義を再確認させます。
 

・文学的視座の導入

 「透明な幽霊の複合体」という賢治の言葉を引きながら、図書館を「まるごと賢治」の場にしたいという夢想は、批判と同時に創造的なビジョンを提示しています。単なる反対運動ではなく「理想の図書館像」を描いている点が魅力です。
 

〈感想まとめ〉

 

 この紹介文は、単なる本の宣伝ではなく「地方自治」「文化政策」「民主主義の危機」という大きなテーマを同時に投げかけています。著者の怒りや悲しみが文学的な言葉で表現されているため、政治的な問題でありながら読者に詩的な余韻を残すのが特徴です。つまり、これは「図書館建設の記録」であると同時に「民主主義と文化の寓話」として読める作品紹介になっています。
 

 このブログ記事を読んで、あなた自身は「図書館=公共空間」のあり方をどう考えますか?例えば「駅前の利便性」と「旧病院跡地の歴史的・文化的意味」のどちらを重視すべきか、という問いは、まさに読者に投げかけられているように感じました。

 

 

 

≪追悼≫~ありがとう、本橋成一

 

 

 畏友の写真家で映画監督の本橋成一さんの訃報を知らせる葉書が(昨年12月)30日、届いた。旅立ちは12月20日で、享年85歳。私と同じ生年だった。膨大な作品群にその時代の足跡が刻まれている。彼の背中を追いかけるようにして、私自身も同じ時代を駆け抜けてきた思いがする。ひとつの「時代」が終わったという実感がひしひしと迫ってくる。

 

 『炭鉱〈ヤマ〉』(1968年、第5回太陽賞)、『上野駅の幕間』(1983年)、『ふたりの画家 丸木位里・丸木俊の世界』(1987年)、『屠場〈とば〉』(2011年)…写真集だけで24冊に上る。さらに、チェルノブイリ原発事故の被災地に焦点を当てた映画「ナージャの村」(1997年)の初監督をしたほか、「ナミイと唄えば」(2006年)、「祝の島」(2010年)など映画8作品も世に問うた。

 

 希少映画の上映館として知られる「ポレポレ東中野」(前身はBOX東中野)の運営に長く携わり、1階の飲食スペース「ポレポレ坐」はまるで“梁山泊”の趣だった。私自身もその常連客のひとりで、口角に泡(あわ)を飛ばした日々が懐かしい。「本物の梁山泊の主は筑豊の上野さんだよ」…こう言って、筑豊炭鉱(福岡県)を舞台にした記録作家、上野英信さん(故人)を紹介してくれたのも彼だった。

 

 本橋成一よ、本当にありがとう。安らかに眠ってくれ。行き違いになってしまったが、新年早々には拙著が天国の君の元に届くはずである。夢の中でいいから、例の辛口の批評をぜひ、聞かせてほしい。合掌

 

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「学びの杜」 https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ~カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/