記念館だより82号でご紹介しています高畠町の鏡日出雄さん(77歳)が、先日記念館を訪問した。小学校5年生の時以来60数年ぶりであるという。話をお聞きしてみると、赤湯小学校が記念館の隣にあった頃、陸上大会の選手として出場したときに、担任の先生とともに臨雲文庫を見学し、そこに展示されている一つの書を見せてもらったという。担任の先生は、「意味はわからなくともいい。大人になるとわかるようになる。しっかり覚えおきなさい。」と教えられたという。以来60数年。暇を見ては手に書き、声にだして暗記し、今でもその書を暗唱できるという。私の前ですらすらと暗唱してくれた。
5年生の半ばで結核に倒れなくったと懐かしそうに語る鏡氏。その書は
「餘有るを待ちて人を濟わんとせば終に人を濟う日無く 暇有るを待ちて書を讀まんとせば必ず書を讀む時無し」
今も通じる生き方のお手本である。教えた先生の素晴らしさ、学んだ生徒のすごさに感動した。
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