福島県郡山市に arigato という農家イタリアンがあります。
義理の妹に誘われて義母と妻と4人で食べに行きました。
ランチはパスタやリゾットなどのメインディッシュの前に
写真のような結構凝ったミニスープ付きの前菜からスタートします。
店員さんが、ひとつひとつの食材を作ってくれた農家さんと調理法を解説してくれます。
それ自体はめずらしくありませんが、写真の上の方に3つのカードが並んでいるのが
わかるでしょうか。農家さんとそのこだわり、特徴などが書いてあります。
農家イタリアンを自称するだけあって、農家さんの農業に対する強い思いをていねいに
聞き取り、そしてしっかり伝えています。
お客さんとすれば、聞くだけだと聞き逃したりしますが、このようにカード形式だと、
ちゃんと知りたい人はあとでじっくり読むことができるし、説明する側も全部を語る必要
がなくなります。実にいいツールを使ってるな、と感心しました。
こだわりを持って、丁寧な野菜づくりをしている農家さん達は、全国各地に
たくさんいらっしゃると思っています。しかし残念ながら発信ベタ。
こういうお店が最適なツールを交えて代弁してあげることはとってもいいことですね。
もちろん併せてシェフの想い、お店の想いも。
セットのドリンクも2種類選べる、っていうのもいいと思いました。
食前はどちらかというとジュース系(これもいろいろ凝ったものあり)、食後は
珈琲紅茶系が飲みたくなるのが一般的(?)心情で、そこにしっかり寄り添っています。
値段は1700円~1900円と、少し高めですが、パスタ(私はリゾットを食べました)も
デザートも実に美味しくて、人気レストランであることが納得です。arigatoさん!
働いている若いスタッフたちもイキイキとしていて気持ちいい。
というわけで、食後に「よろしければアンケートをご記入いただいてもいいですか?」
というリクエストに喜んで応えました。
「店内の雰囲気や接客」「農家さんへのメッセージ」という2つの質問に対して
それなりのスペースの空欄が用意されていましたが、その質問に忠実に回答した、
というよりは、全体として感じたこと感心したことを、すべての空欄を利用して
たくさん書きました。点数の欄には、150点(笑)。
妻と妻の妹のアンケートをのぞき込むと・・・ 実に忠実な回答をしてました。
このあたり性格がにじみ出ます。妻は点数100点、義理の妹は80点。
妻にはあえて聞かなかったけど、美味しかったし、雰囲気も接客も良かったから、
100点にしたのでしょう。
80点をつけた義理の妹に聞いてみました。「なんで80点なの?」
「80点っていうのは私の中ではかなりいい点数っていう意味ですよ」と。
彼女は高校の先生。100点というのはそれ以上ない完璧な存在なのです。
ここで100点をつけてしまうと改善の余地がなくなる、ということで、
80点といういい点数をつけて、さらにがんばってください、という彼女なりの
エールの表現でした。
私にとっては100点というのは超えるためのもの。
それを超えた先には新しい世界が広がり、次なる頂を目指すためのひとつの目安。
150点と評価をされてうれしく感じた人は、そこで満足して立ち止まるのことはなく、
むしろ更なる高みを目指すハズ、という認識が当り前の感覚としてあります。
学校の先生は100点というゆるぎない絶対の世界へ1点ずつでも近づいて行ってね、
というスタンスであり、あまりいい点数をつけると成長が止まる、という感覚がある
ように感じました。職業による感覚の違い、実におもしろい!(笑)