株式会社船井総合研究所の創業者船井幸雄氏が亡くなったのは、
氏の講演CDに最初にふれたのは30代の頃でした。
その頃は聴くことすべてが新鮮で、何度も繰り返し聴きました。
何枚かあったCDはどこかにいってしまいましたが、今でも要点は覚えています。
船井総研の基本的な考え方は長所伸展であり、短所には決して触れない。
そして、相談に来る経営者の姿勢がすなおじゃないと、仕事を受けない、というあたり
から始まりました。すなおで明るい人が伸びる、と。
そこから転じて、「人は人(他人)に嫌われたくない存在である。できれば好かれたいと
誰もが願っている。人に好かれれば事業は成功する。人に好かれるためには、以下の4つ
のことをしなければいい、と。
1.人の悪口を言わない
まあ、これは言うまでもありませんね。
2.差別をしない
船井総研に相談に来る人で、受付嬢には横柄な態度で、会長室に入るとペコペコ
している人はダメだ、と。必ず受付嬢にそのあたりを聞いたそうです。
3.自慢しない
家族でさえ自慢話は聞きたくない、と。唯一、母親だけは自慢話を聞いてくれる。
奥さんにだって自慢話はNG。これは実に思い当たる節があります(笑)。
4.自己主張しない
氏の著書は200冊以上だとのことでしたが、編集者から言われたのは、文章から
「私」という言葉を全部カットしてください、ということだったそうです。
「私」の本を読みたくて本を買った人でさえ、「私」を連発されると反発を覚える
のだ、と。「私」という言葉をどうしても意味が通じにくい個所というのは、
本全体でも2~3か所あるかどうかなのだそうです。それに比べると、私たちが
書く文章は「私」が多いですよね。
この話を聞いて私は「私」を極力使わないことにしました(笑)。
さて、この4つを守れば人に嫌われないのだけれど、自己主張しないとこの世に貢献する
こともむずかしくなるわけで、船井氏は、「自己主張をしても嫌がられない『徳』を
そなえた『人物』にならなければならない」と説いていました。
なるほどなぁ、と。
徳をそなえた人物…。
そこに向けた長い道のりを歩いていかなくちゃなぁ、とぼんやり思った30代でした。
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