長く伸びた白いひげ、作務衣をまとった小柄なおじいさん。
40日間もの断食を2回も行い、いわゆる悟りの境地に達した方でした。
大上段に構えず、自然に優しく語りかけるような口調は、
聞いている人の警戒心を取り去ります。
ちょっと難解で突拍子もないような話であっても、聞いてみよう、という気にさせるのです。
講演のテーマは、ご著書と同じ「無敵の経営」。
経営者なら誰でも興味のあるタイトルでしょう。
敵がいないのではなくて、敵をつくらない経営、というサブタイトルも気になります。
経営者の経営姿勢は、その人の人生のとらえ方と完全にマッチするものであるから、
まずはそこをしっかり見つめ直しましょう、というのが主旨でした。
様々な話が展開されていったわけですが、やはり、長期断食という動かしがたい事実が、
大きくものを言っているんだなあ、と感じました。
何を言うかも大切ですが、誰が言うかはもっと大切。
同じことも、誰から言われるか、で聞く側の変化は大きくなりますね。
響いた言葉は2つ。
ひとつは、「罪少なく生きましょう」という言葉。
「罪なく」って言われたら、ついていけないと思いましたが、
「少なく」で助かりました(笑)。
もうひとつは、人生最後の言葉。
「今世で学んだことを活かして来世はもっとより良く生きる」
と言い残してこの世を去る、っていうのは実にいいなぁ、と思いました。
「満足の人生だった、ありがとう」というのがこれまで求めてきた最後の言葉だった
ような気がします。北川先生のほうが更に上をいっていて、マネしたくなりました。
人に喜んでもらうレベルを高める努力をするのは、仕事人として当然としても、
それ以上のことは来世で、という安心感があるといいな、と。
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