台湾は私にとって実に好感度の高い国。
何より親日・知日っていうのが嬉しいですね。
東日本大震災の時にも世界で一番多額の寄付を寄せてくださいました。
その台湾のことを私たちはどれほど知っているだろう・・・。
7月13日のブログでも紹介しましたが、小林よしのり氏の「台湾論」は、
漫画仕立てで、日本人とは何か? という切り口から台湾を見ているおもしろい本です。
実際に今回の旅行の貸し切り1DAYツアーでガイドをしてくれた陳さん(男性)と
貸し切り半日ツアーをガイドしてくれた陳さん(女性)にいろいろ質問してみると、
この本で得た知識がベースとしてとても役立ちました。
男性陳さんは私と同じ55歳。
ガイドになったのは最近で、それまで日本やアメリカ、香港、中国本土で商社マンとして
働いてきた方で、中国共産党が大嫌いという方でした(笑)。
では、現政権の民進党蔡英文総統を支持しているかと思いきやさにあらず。
独立派の現政権は中国本土との関係が悪く、本土からの旅行者が大幅に減って、
観光業が落ち込んでいるからダメだ、と(笑)。
中国共産党は嫌いでも中国本土人が嫌いなわけではないようでした。
そして、蒋介石は確かに当時の国民にひどいことをしたが、中国共産党から台湾を救った
という点で評価に値するのだ、と。
もうすでに過去のことであり、今や第2世代第3世代の時代になっているから、
今の台湾をリードできるのはやはり国民党だ、という考えをお持ちでした。
蒋経国の時代にこそ台湾は栄えたのであり、その次の李登輝は私腹を肥やしてダメだ、
という見方でした。
一方女性陳さんは私よりひと回りくらい年配の感じ。
ご両親(もちろん台湾人)から日本式教育を受けて育ったらしく、
日本の台湾統治時代をとても良かった時代という評価をしていました。
蒋介石に対しては、直接言及はしませんでしたが、やはり228事件やその後の政治を
良しとはとらえておらず、李登輝の功績を讃え、現政権の独立派を支援しているとの
ことでした。
従って、蒋介石の功績を讃える中正紀念堂を案内する際は、案内ルートに入っているから
しょうがなくガイドしている風でした。
今は言論の自由が保障されているから、多少悪口を言ってもいいのよ、と(笑)。
<↑中正紀念堂>
中正とは蒋介石の本名です。
息子である蒋経国が作ったこの紀念堂は、のちに民進党によって台湾民主紀念館と名称
変更がなされ、馬英九の時、また元の名前に戻ったという流れにあります。
日本の場合、総理大臣が誰であっても大差なし、という時代が続いてきましたが、
TOPによって大きく国の行く末が変わっていくお国柄では、政治に無関心ではいられない
のです。
深く国あるいはその国の人を知るためには、政治歴史宗教を素通りしていては片手落ち、
という当たり前の結論を実感した旅行でした。
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