最上義光歴史館

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■ 学んでいない話 その1
 サイモンとガーファンクルの「冬の散歩道」が収録されている「ブックエンド」というアルバムには、老年の哀愁を歌ったような作品がいくつかあります。若いポール・サイモンが、なぜ老人の心境を描けるのか、ということも話題になりましたが、内容に反してジャケットは、ファッション写真で有名なリチャード・アヴェドンによるオシャレな肖像写真です。最近これを私は、中古のLPで購入しました。これは家人に言わせると「無駄遣い」という病癖なのだそうです。すみません。年を取ると持病が現れてくるのかも。
 さて、「亀の甲より年の功」ということわざがあります。これは「年長者は、長年経験を積んでいるだけに、若者には及ばない知恵や技能がある。さすが年長者だけのことはあると、称賛することば。」という意味です。自分もそろそろそんな風に重宝される歳ではないのかしらん、などと思っていたのですが、時代はリスキリングということで、昔のフォークがどうだなどという蘊蓄は用をなさず、DTMとかボカロとかを使いこなすくらいでないとダメかと。それが紅白出場歌手すらわからないようでは、やはりリスキリングが足らないのかと。すみません、無理です。

■ 学んでいない話 その2
 「井上陽水50周年記念ライブツアー『光陰矢の如し』〜少年老い易く 学成り難し」というコンサートは、2019年に山形でも開催され、会場は満席でした。確か「リバーサイドホテル」を歌おうとしたときに、「歳をとると毎回同じ曲を歌うのも大変で、この曲もねぇ、歌詞を読み上げるだけで済ませられたらいいですが。」とか言って、歌詞の冒頭を読み上げたりしていました。観客も井上陽水と同世代の方が圧倒的に多いのですが、さすが団塊の世代でして元気でしたが、トイレは長く、ものすごい行列でした。
 私事ですが、井上陽水を知ったのは中学の時、井上陽水が好きだという同級生の家に遊びに行ったら、井上陽水と名乗る前のアンドレ・カンドレという名前の時代のアルバムまで持っていて、さすが、どこぞの社長の息子だけのことはあるなと感心したのですが、同じようにそんなものを買うわけもいかず、その他にも持っているアルバムをいろいろ借りてはカセットテープにダビングし、その後も新しいアルバムが出るたびにレンタルレコード店から借りてきてはダビングして、皆さまもきっとそんな時代を経てきているのではとは思います。
 今となっては、ダビングしたテープなど行方知れず、中古で「井上陽水全集CD15枚組」なども入手しましたが、今どきCD盤など後生大事に持つものではなく、サブスクのネット配信とかを利用すべきかと。やっぱり「光陰矢の如し〜少年老い易く 学成り難し」ということで、時代は変化しているのに、追いついていないというか、学んでいないというか。

■ チャリティーコンサートの話
 サイモンとガーファンクルの「ブックエンド」というアルバムには「America」という名曲が入っています。ポール・マッカートニーの呼びかけで、アメリカ同時多発テロ事件(9.11)のわずか一月後に「The Concert For New York City」というチャリティーコンサートが開催されたのですが、このオープニングで歌われたのがこの「America」です。しかも歌ったのがデヴィッド・ボウイでした。これはつまり、イギリスの歌手がアメリカのフォークデュオの曲を歌うという、例えて言うならビリーバンバンの曲をチョー・ヨンピルが歌うようなもので、いや、イギリスの歌手が「America」を歌うという、例えて言うなら長渕剛の「JAPAN」と言う曲をブルース・スプリングスティーンが歌うようなもので、あ〜、また、ぐだぐだとしょうもないことを言ってしまいました。やはりここは「ジャパ〜ン」と郷ひろみが口火をきってほしい、いや、だから何の話だ。
 手元のCDによると、このコンサートは6時間にわたり開催され、1400万ドル(当時のレートで16億8千万円)の収益があったそうです。出演はボン・ジョビ(超日本びいき)、ビリー・ジョエル(あの「New York State Of Mind」も歌っています)、ミック・ジャガー&キース・リチャーズ(ローリングストーンズの初期からのメンバー)、ザ・フー(イギリスの三大バンドと言えばビートルズ、ストーンズ、フー)、ジェイムス・テイラー(妻はカーリー・サイモン、もしかしたら彼女の方が人気)、ジョン・メレンキャンプ(唯一の全米1位となったアルバムが「American Fool(アメリカバカ?)」)、エルトン・ジョン(名前の「ジョン」は、ジョン・レノンから採った芸名)、もちろんポール・マッカートニーも出演しています。(以上、カッコ内は筆者調べ、某長距離走解説者のような情報でしたが。)
 コンサートの最後にポール・マッカートニーが7曲を歌い、うち3曲がビートルズナンバーで、「Let It Be」ではエリック・クラプトンがギターソロを弾きました。例えて言うなら、玉置浩二が安全地帯の曲を歌い、そこで布袋寅泰がギターソロを弾くといった感じでしょうか、いやその、例えはいらないとは思いましたが。とにかくこれだけのビッグネームのスケジュールを、この短期間にどうやって調整したのだろうと驚きます。能登半島震災でもこんなチャリティーコンサートを、とは思うのですが、さすがに震災の翌月では難しいでしょうか。
 あとは、そこの曲はということですが、まずはご当地ソングかと。石川さゆりさんが持ち歌の「能登半島」を先日、某生放送番組で歌っていました。あと坂本冬美「能登はいらんかいね」という曲もあるのですが、震災で避難している状況に対し曲名があまりにも、と言うか「能登の出身だけどいりませんか」という意味らしいので。
 いや、別にご当地ソングでなくても、例えば紅白クラスの歌手が一堂に会して、多くの人の関心を集め、どぉ〜んと収益金も集めてくれればということで、あの多様性とか何とかでも全てありかと。そういう意味で紅白はまだ存在価値があるような気がします。