最終解脱酒
■「解脱」げだつ 仏語。この世のすべての煩悩(ぼんのう)から解放され、迷いの苦悩からぬけ出て、真の自由の境地に達すること。 オ○ム心理教で一躍有名になった単語ですが酒造業界ではもっと昔から使われていました。 ■解脱酒 醸造した酒を熟成させると酒の色が黄色く変色していきます。 更に熟成が進むと茶褐色に。 更に更に進むと黒褐色に。 そして熟成しきった酒は成分が澱(おり)となって沈んでいくそうです。 無駄な成分が全て澱となって沈み切った酒。 その時こそ解脱酒の完成です。 この間、酒の中では水とアルコールとエキス分の化学式が組替えられ、複雑な結びつきを遂げます。 味は貴醸酒にも似ますがワインのような側面も持ち合わせ、「こんなに綺麗な日本酒があるのか」と思わせるに十分な説得力を持ちます。 熟成を早める技術で「音波」や「電流」が注目を浴びる背景ってこの辺から来てるんでしょうね。 ■解脱するまでの期間:未知数 酒によっては20年とも30年とも。 昔からの風習で日本酒は新酒で飲まれる事を良しとされてきました。 アルコールが20%以下で酸度が少なく、原料が高価な上に高精白する。 熟成を待つにはリスクの大きな酒質、そして経済的負担。 日本酒の歴史で蔵内税(造った酒に課税する)が廃止されて 蔵出し税(出荷した酒に課税する)に替わったのが終戦後の事。 そんな歴史的背景の中、解脱した酒なんて滅多にあるもんじゃ・・・ ・・・・あったりして(にやり)
2005.02.17