今回は、『押出遺跡から出土した2つ目の驚き』についてお届けします。
押出遺跡からなんとクッキー状の炭化物が出士しました。士器の装飾と同じ渦巻きの模様がついています。調査後、脂肪酸分析という方法によって、クリ・クルミ・イノシシなどの肉・血・野鳥の卵が含まれている事が分かり、縄文時代の高カロリー食品として注目されました。炭化物がついた石皿も見つかっており、加熱した石皿でクッキーを焼いたと考えられています。
驚きの縄文クッキーは、クリ・クルミの粉を練って作った発酵食品でつなぎは野鳥の卵・味付けは岩塩による塩味で動物の肉の細切れを入れているものでした。
粉にして練って石皿で焼いたものであります。肉が入っているということはこのころからハンバーグを食べていたことになります。驚きですね。
世界最古のパンはエジプトのパンで5000年前といわれています。
押出遺跡のこの発酵食品はそれを上回る5800年前のものであることが判明しております。そして、ゆたかな縄文ムラが形成されていたことがわかりました。今から5800年前です。豊富な出土品がわずか4,000㎡で土器400箱、石器83,000点木製品等多量と大量の建築材、木製の道具・容器、大量のクリ・クルミと縄文クッキー・ハンバーグ(世界最古グループ)、更にわずか4,000㎡で39棟の住居跡が発見されました。都市空間に近い密度であります。大変な集落だったようです。
そしてこの時代に、関東方面から漆器を持ってきたり、押出から関東に土器を運んだり、北陸から石器を作る縄文人がきたり、驚くほどの広範囲な交流もあったことがわかっています。
詳しい資料は下記ページをご覧ください。
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=135447
http://okibun.jp/cookie/
◆高畠の歴史 012号
2013.05.14:toda:[◆高畠の歴史・東北の歴史◆]
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