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【2013/03/29 山形新聞】ハイジアパーク南陽にエコ装置 次世代型小型風車と太陽光発電

 南陽市が設置を進めていた発電効率の高い小型風車「風レンズ風車」と太陽光パネルによる発電装置が、第三セクターの温泉保養施設「ハイジアパーク南陽」(社長・塩田秀雄市長)敷地内に完成し、28日に本格稼働した。

 ハイジアパーク南陽の本館西側に風レンズ風車1基と、太陽光発電パネル96枚を設置した。風レンズ風車は高さ11.7メートルのポール先端に直径3.4メートルの風車本体が取り付けられ、全高約13メートル。風車本体は長さ約1.2メートルのブレード(羽根)3枚の周囲につばのついたダクト(覆い)が取り付けられている。この構造による高い集風効果で、ダクト内の風速が1.4倍、出力は約3倍になるという。大型風車が抱える▽騒音▽台風・雷の影響▽野鳥が衝突するバードストライク−の問題点を克服する可能性を持つ次世代技術で、県内初導入。

 風力発電は出力3キロワット、太陽光発電は20キロワット。年間発電量は計2万2500キロワット時を見込み、ハイジアパーク南陽の年間消費電力の約2%に相当する。大規模災害時は、ホールや休憩室、事務室などに電力供給し、避難所機能を維持する。総事業費は約3700万円。環境省のニューディール基金を活用した。

 同市は新エコタウンプロジェクト研究会(会長・安達正司副市長)を立ち上げ、再生可能エネルギー導入による先進的な地域づくりに向けた検討を進めている。太陽光・風力発電装置設置はその一環。

 同日、ハイジアパーク南陽本館で完成式典を行い、安達副市長が「災害時も安心して避難していただける。施設のシンボルとして、子どもたちの環境教育教材としても期待している」とあいさつ。副市長ら3人で稼働スイッチを押すと、館内壁面のモニターに発電量が表示された。


災害時の避難所となる温泉保養施設敷地内に完成した風レンズ風車と太陽光パネルによる発電設備=南陽市・ハイジアパーク南陽



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