米沢李山の大洞の獅子頭

  • 米沢李山の大洞の獅子頭
米沢市の南部李山(すももやま)地区の大洞(おおほら)と銭子集落の氏子で祀っている

熊野神社がある。現在は廃れたが、以前は例祭で子供達で獅子回しを行なっていたという。

11月20日朝、獅子頭を拝見しにご当地を訪れた。

昨夜降った雪は長井より倍多く、こちらの山々は雪化粧し寒々としていた。

スマホのナビやグーグルアースを用いるので訪問する場所は確認済みで、最近は迷う事無く安心

である。お話をお聞きする清野さんは蕎麦も栽培して米沢の蕎麦屋「欅(けやき)」さんに卸してい

る方だった。熊野神社に付いて様々お聞き出来た。熊野神社は近くの宝善寺が別当で、その裏山を

登った場所に有るという。

「米沢の神社と堂宮」という資料に大洞館城主だった伊達の家臣 但木(ただき)左馬之助、の存在

や、丹南公民館に獅子踊りの獅子頭を入れる箱に正徳ニ年(1712)の記名があること等まだまだ

興味深い話が有る様だ。


熊野神社の獅子頭は別のお宅にあった。毎年順番に氏子が保管するのだ。




拝見してみると中型の立派な黒獅子頭で残念ながら内部には期待した記名が無かった。

獅子頭の構造から恐らく江戸後期・・修理もされていない。耳が長大で越後の村上風である。

その耳が頭の形に合わせて見事にピッタリ合わせて作られている。



非常に興味深い点は頭部と顎の接続が今までに無い金具で残っていた。大抵この部分は

破損して修理され改造されてしまうから貴重である。






また下顎の木口に獅子頭を持つ為の半円状のスペースを施している獅子頭が多いが、この獅子

には無く板状だ。軸を支える鉄製の輪が下顎に差し込まれ連結している。木製の軸には輪と

接する部分に摩耗防止の鉄製の輪が嵌め込まれていた。

顎が板状な獅子頭は他にも幾つか有り作者探しの参考になるだろう。





取材の帰り道、鳥居を見つけたので神社を覗いてみた。

諏訪神社だった。







神社前の参道の二本の大きな杉の木の根が、石の階段を隆起させている。

拝殿前の梁の彫刻や雲の破風飾りも見事だ。

参拝をすませ期待しながら格子を覗いてみた。




冬囲いされた薄暗い拝殿に、驚くべき獅子頭を発見した・・・。


                           つづく


2017.11.22:shishi6:[コンテンツ]

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