黒獅子まつりの前々日、ライブ中継の為に獅子舞取材にお邪魔した。
泉では有名なの獅子舞い大好きの方に口利きして戴き案内してもらった。
公民館では幕付けと稽古中だった。
幕付けは終わっていたが、大頭と小頭の御三人が対応して戴いた。
用意していた質問があった。
隣の地区の河井の大頭と小頭には腰に「下がり」を付けている。
下がりは角力のマワシに挟めて縄のれんの様な物で、化粧廻しの代用の様なものらしい。
やはり、泉でも下がりを着用しているようだ。
獅子頭は稽古用と幕付けされた本獅子が用意されていた。
獅子箱は大正五年と平成四年と記されていて、古い方は小関久蔵、平成の獅子は渡部 亨の作。
幕付けの紐についてビックリした事があった。
材料の紐を真綿を縒(よ)って作るのだそうだ。
実演していただいた。
最後に畳みに叩き付けて仕上げするという実にワイルドな古典的な手法である。
そして、あらかじめ獅子頭に取り付けていた紐に幕を縫い付けるのだ。
こんな方法で取り付けをしているのを見たのは初めてである。
こりぁあ~大発見ではないだろうか!!
公民館の中の獅子舞の写真にも、ちょっとした発見があった。
獅子幕に「池田染め物店」という記名が見える。
そういえば高野町の親戚の隣にこちらの染め店があったのだ。
今後、獅子幕の模様にも特徴があり、この染屋さんの制作したものと判別出来る。
警固棒にも特徴があった。
孫悟空の如意棒を彷彿させる様な金属が取り付けられていた。
警護掛りで警固棒が地面に擦れる度カラカラと金属音が聞こえてくる。
古い写真にも写っているのだが、意図は不明だ。
擦り減り防止だろう。
警固掛かりでも、他では見られない独特の役割があった。
警固掛りの際に獅子振りが大きく足を広げるので、立ち上がるため支える役割である。
警固が獅子をねじ伏せ、獅子が大きく口を開きながら前傾する。
再び起き上がり・・・何回か前進しながらを繰り返すのだ。
獅子振りの下に四つん這いになり、後ろに転倒するのを防ぎながら立ち上がる時に押し
上げるという・・・。
この警護掛りの形には不可欠な役割だろう。
稽古は整然と行なわれ真剣さが伝わってきた。
稽古が終わると若い衆が淡々と笛を洗浄していた。
こちらもナカナカ見られないシーンだった。
太鼓の三つ巴は黒の部分が反転されていてる・・珍しい。
今回の取材で、本番直前の稽古は大変重要である事を感じた。
その神社独特の習わしが垣間見る事が出来る場なのだ。
牛の涎に泉の角力の醜名(しこな)の資料があった。
そのなかには泉も和泉とあり「時の仕合」である。
仕合とは、「互いに相手方に対して同じ様な事を仕掛ける」とある。
警固掛かりの事だろうか?
謎めいた醜名だ!
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