山形市の鈴川町印鑰(いんやく)神明神社に訪れた。
いたか町神楽の「生き獅子」の件で問い合わせした宮司さんが親切で快く神明神社に伝わる
獅子頭を見せて戴いた。
12月7日・・今日は快晴で、厚着では汗ばむ程である。
護国神社の東部、直線距離だと1kmもない。
昭和34年の 伊勢湾台風でご神木の杉が神社に倒伏して全壊
し、一対だった雌獅子頭が破損して
雄獅子だけが現在残っているとの事である。
30年ほど前には例祭の神輿渡行の厄払いに用いられ、氏子を回った。現在は新しい一対の宇津権九
郎の獅子が用いられ、雄獅子は隠居で心無しか寂しそうだ。
宮司さんの説明では、詳細不明だったが神社資料を見せて戴き調べてみると出てきた。
明治18年にお二人が、刀剣や賽銭箱等と共に獅子頭を寄進しているが、その他は不明である。
脳天に大きな金の宝珠、耳と眉と鼻が黒く塗られ、いたか神楽系の神楽獅子である。
顎の構造が珍しい。
軸棒の穴からギリギリに下が無い。口を開ける構造上の形なのだが、あまり観た事の無い 造りであ
る。
軸棒に歯形が見られない。薄く造られているが頭を固定する紐の跡も無く、やはり神輿につく
獅子回しの獅子頭だったのだろう。
眼や歯の金箔に傷や擦れもなくスコブル状態が良い。
作風で作者を推定するにはマダマダ材料不足といった所だろう。
この記事へのコメントはこちら