11月3日より12日まで白鷹町の文化施設「あゆーむ」にて獅子頭展が開催中だ。
もちろん早速拝見してきた。
会場には白鷹町の寺社に伝わる獅子30頭が一同に会し壮観である。
今はもう獅子舞が途絶えた地域、平田の集落の獅子頭や白珪(けい)神社の獅子二頭も展示され
ているので必見である。
この規模での獅子頭展はなかなか難しい。白鷹町の組織の結びつきの強さが感じられる企画だ。
置賜の各市町村で、このような獅子頭展が開催され、やがて置賜全体の獅子頭を集めた獅子頭展が
開催出来たらと考えている。
歴史を背景として置賜の獅子頭の多様さと奥深さ、工芸品、美術品的にも優れ、また人々に愛されて
いる物は類い稀だ。
会場に訪れている方々を横目で観察しているが、皆絶賛している訳だが・・話を聞いていると残念な
事に獅子頭の見方に慣れていない方が多いように感じる。
獅子頭の脇に丁寧に解説が提示されているのだが、そこまで詳しく見る方は少ないだろう。
自分の制作した獅子頭も多数あり、獅子頭制作を初めて間もない時期に制作した出来町の金比羅
神社の獅子頭を久しぶりに見て当時の制作の事を思い出した。
平成八年頃だったろうか? この時は出来町公民館に出張して獅子頭彫りの実演を行なった。
一昨年、山口羽黒神社でも同じ様に実演を行なっている。羽黒神社の新しい獅子頭も飾られていたが
目の黒い輪郭線が無い事に気付いた。恐らく、まだ私の他に誰も気付いてないだろう。
西高玉の獅子頭も二頭制作している。
展示は古い明治後期の作の獅子頭である。長谷部吉之助の作と伝えられてい
る獅子頭(写真奥の獅子)を見て初めて気付いたのだが、漆が透過し生地が斑になって見える。またこれが古びて
良い味を醸しているのだ。何回も修理を重ね大切に守ってきた獅子頭だが、至る所でひび割れが目立つ。
今年デビューした貝生の獅子頭もピカピカの歯を誇示している様に展示されていた。
その他、深山や萩野、横越、鮎貝八幡、大瀧は塗り替えをしている。
それぞれの獅子頭を見て、その当時の事を思い出しながら懐かしがっている。
随分沢山作らせて戴いたと思う。
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