以前、米沢市浅川泉養院の鎌倉時代と云れある古い獅子頭を取材した。
その後、高畠町亀岡善行院の獅子頭と争った伝説をもとに取材し、同町泉岡の大宮子安神社の
獅子頭と酷似している事を発見し、長野県上田から似た獅子頭の報告もあった。
泉岡大宮子安神社の獅子頭は寛政五年 高橋賀造作と記名が残されている。
それからネットで検索したキーワード「仙台 鶴岡八幡 獅子頭」で発見した獅子頭が上記一連
の獅子頭とも酷似していた。調べてみると仙台藩四代藩主伊達綱村が亀ケ岡八幡として天和三年
(1682)頃に仙台城近くに還座し、小野田町薬莱神社の社家を写した際に神楽も伝わった。その
神楽の獅子頭である。
先日、これらの獅子頭とそっくりの獅子頭をネットオークションで発見したのだ。
難無く、ほどほどの金額で落札出来たのでご紹介しよう。
現在の長井や白鷹の獅子頭の構造よりも、庄内の番楽系や三匹獅子踊りの様な頭部形体である。
今回の獅子頭の顎には枝をU字に削った取手が付いているのも興味深く、毛穴痕が多数残されて
いる。色は濃い赤だが、黒の塗膜が剥離した後塗り替えされているのが残念だ。
頭部の耳は失われ、タテガミは残っていないが幕紐は口の中に残っていた。実際に獅子舞いとして
用いられたものであろう。
結局結論が何も出ないので報告だけだが、いずれ点と点が繋がって何かしら興味深い
歴史の一瞬が判明するのではないか・・・まずは材料集め。
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