とある所で意外な出会いがあった。
荻(おぎ)の熊野神社の幕付きの獅子頭である。
以前、宮内の熊野大社で獅子頭展を開催した時の写真では確認しているが、実際に
見たい見たいと熱望していた獅子頭である。訪れたお宅で意外にもお目にかかったのだ。
どこかで似た獅子を見た様な気がするが、まだ結び付かない。目の縁や唇のヒダ、額の深い彫りが見事だ。
赤獅子で鼻と耳、眉間が黒く塗られ、特に歯の奥歯が二重に作られている作り方は初めてである。
似ている獅子頭が思い浮かんできた。
山形市の六椚八幡神社を彷彿させる形だ。
比較すると彫が荒く平べったいが、上前歯が下の歯に重なる所や眉間の黒塗り、耳の形が同じ
である。同じ作者の可能性がある。
南陽市の獅子舞いは宮内熊野大社や烏帽子山八幡の獅子舞に見られる様に、むかで獅子舞系の多人数
型。大幕の周囲を持って拡げ引っ張り合い練り歩く。
以前神社に訪れた時入り口にあった看板によると、寛延三年(1750)獅子舞と書いた石碑があり
、この時代から「獅子かぶり」が行なわれた・・とある。
神社は堅牢な鉄骨の屋根に覆われ守られていた。
小高い山の中腹からは吉野川の流れが手に取るように眺められる位置にある。
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