久しぶりに長井駅に来てみた。
この駅には私が4~5才だった頃の55年前の記憶がある。
こうなると歳がバレバレなのだが、薄靄に包まれた様な遠い記憶だ。
まだその当時は蒸気機関車が活躍していて、停車場の出入りの際に汽笛を鳴らしたものだ。
黒々とした機関車の煙突からは、時には白かったり黒だったりする煙が吹き出して石炭を燃やした臭
いも漂わせていた。
その力強い姿が今も焼き付いている。
実家が駅から近かったので、その様子を楽しみに「きしゃぽっぽ」見物に連れてきてもらっていた。
昭和30年後半は東京オリンピック開催が近づいて高度成長期で駅もとにかく活気があり、乗り降り
の客や荷物が溢れていた。
駅の中にはキオスクという売店があり、顔見知りのおばちゃんが忙しそうにお客と対応している。
そこで、その当時も蕎麦の提供をしていたかどうかは覚えていないが、最近ギャラリー停車場に
来る機会があり「駅蕎麦」が有る事を知った。
高校生の頃には赤湯駅のプラットホームに駅そばがあって、その時の味がほのかな醤油の記憶が
ある。プラットホームですする、東京への乗り継ぎ待ちの味は格別だった。
長井駅の駅そば320円という価格も驚きなのだが、停車場の思い出が味わえる様な気がして
無性に食べたくなった。
今でも高速道に入ると必ずかけ蕎麦だし、小国の道の駅でも温かい駅そばの為に休憩する。
蕎麦屋の癖にと思われるだろうがしょうがない。
雪を見ながら長井駅ですする駅そばは、山の頂上でほおばるオニギリの美味しさと通ずるものがあっ
た。おばちゃん自家製の漬け物もうまい。
ひとつ難を言えば天かすはいらないなぁ~・・・美味しいけど。
入り口が自動ドアになってしまった位で長井駅は大きく変わっていない。
常に変わってしまうのは人なのだ・・ふと汽笛が聞こえたような気がした。
この記事へのコメントはこちら