平成18年・・丁度10年前に白鷹の西高玉の獅子頭を制作していた。
写真の整理をしていたら、その塗りの写真が出てきたのでご紹介しよう。
江口漆工房さんからの写真で、漆塗りの最初の工程の「木固め」の状態だ。
木漆を溶剤で薄めて獅子頭の木地に浸透させる下地調整である。
獅子頭木地は同時期に、西高玉地区の川原上流の柳材を伐採し、二頭制作した。
大きな獅子頭は前夜祭用、目付きの鋭い方は長谷部吉之助の作で例大祭に用いられる。
大きい獅子頭の方は、越後出身の彫刻師の菅原鹿蔵ではないかと推測している。
二頭共に、よく見ると置賜には見当たらない様式の顔付・・・大きい方の耳は長大で
特に異彩を放っていて、石川や富山の獅子頭の様式の影響を受けている。
西高玉の獅子の横に、小出の獅子頭がチラッと見える。
成田五十川系の木の葉眉の顔付だが、あのように大型でなく後ろの木口が総宮系のように
作られている、まだ未調査の謎の獅子頭である。
この獅子頭の特徴は、五十川成田系の顔付と飯豊の諏訪系の中間にあたり
目の下の毛や眉間の段々、頭のコブ等は伊佐沢の婆獅子を思い出す形である。
この記事へのコメントはこちら