昨日、とある白鷹町の宮司さんに伝わる獅子頭が我が家に連れて来た。
その素晴らしさにすっかり魅入っている。
昨日迄は百数十年の積もり積もった汗とホコリでやれていたが、頼まれてもいないのに
午前中いっぱいかけてピカピカに磨いてしまった。
これも、作者である梅津弥兵衛と塗師の齋藤清三郎(推測)の手業の見事さに感服し
敬意を表したかったからである。
神社の獅子頭のサイズより二回り程小さい獅子頭だが、手を抜く事無く細部に渡って
キチンと制作している。塗りも金箔も素晴らしい逸品だ。
子供の獅子舞いにでも使用したのか、前歯と下顎前歯が割れ鼻にも傷がある。
舌も損失したのか白鷹風の舌になってしまった。
タテガミもだいぶ抜け落ちてホコリを吸って灰色に変色している。
磨いて光り輝くと眼が大きくて愛くるしい表情である。
歯の部分は黒でなく金箔の下地である褐色、唇の朱も何とも言えない色合いである。
眉毛の金箔のラインがキレが良く真似出来ない出来である。
小さいけれど、大きな獅子にまけない気品と濃密な技術が集積している獅子頭に出逢った。
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