制作中のレプリカの獅子頭木地を手掛けている。
米沢の笹野観音の獅子頭が実に形良いので模刻させてもらった物である。
今年、米沢の関根の羽黒神社に酷似した獅子頭を発見し驚いた。
軸穴の部分に記名が残されていたので、早く再調査しなくてはならないと気揉めている。
そのレプリカの塗りを進めているのだが、良からぬ企てが頭に浮かんできた。
笹野観音の獅子の色はほとんど金箔が剥がれて、下地の茶が現れている。
関根の獅子頭は、安易に塗り替えされてしまいドギツイ赤になってしまっている。
金箔で仕上げしたい所であるが、膨大な金箔代の覚悟と予算が無い。
今の所、下地色の茶系にする案が有力だが、黒にして西高玉風の獅子頭に仕上げてみてはどうか?
そんなこと考えているうちに、この獅子頭が舞っている姿を見たくなったのである。
仕上げているうちに、その猛々しい顔付が光の角度や方向で大きく変化する。
また耳の角度を変えて立ててみたり、顎を下げてみたり頭の中でイメージが膨らんでくる。
西高玉の獅子頭の顔付と相通ずる魅力ある表情である。
さて、茶になるか黒になるか、赤になるか、まさかの金になるか・・・気まぐれな塗師
の気分次第である。
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