雨が熱を奪ってか、肌寒くて長袖を着て出た。
もう9月も半ば・・獅子舞い取材も後半である。
南陽市梨郷神社に訪れたが、もう獅子舞は既に出発していた。
梨郷神社から下って探しに出るが、小雨から強くなったり弱くなったりだ。
車の窓を開けてみても囃子の音は聞こえない。
どこに行ったやら?
ウロウロしていると消防車が数台停車しているので、まさかの火事か?
と近づいてみると獅子舞一行が休憩中だった。
消防のユニホームを着用した若い衆が獅子舞一行を囲んで、物々しく待機している。
すっかりずぶ濡れになっている若い衆達は、テーブルを囲んで直に地面に座って呑んでいた。
豪快である。
何の役だろうか? 数名の若い衆達は袴を履いて着物を着て、背中を紐で縛った衣装は珍し
い。
宮内の熊野大社と同じ行衣なのだろう。
棒を持った先輩級の警護役? の衣装は袖無しの長半纏だ。
此の様に背中を紐で縛り腕を露にするやり方は、川西で警護役や獅子振り達にも見られる。
袴の連中が何か悪巧みを始めた。
仲間の持ち物を奪い取って小屋の屋根に投げ上げてしまった。
それを合図に、アチコチで小競り合いが始まったのだ。
背中にビールかけ・・ビール噴射・・・レスリングまがいの力くらべ・・・クライマックスは
池にザブン!! これも伝統なのだろう。
余程仲の良い気心知れた関係でないと出来ないサプライズである。
子供達もそんな荒っぽいが和気藹々の様子を見て、大人の振る舞いを学んでいる事だろう。
祭りが、獅子舞が・・地区の団結や親睦を深めている。
騒ぎも収まり獅子舞一行が出発の準備を始めた。
市松模様の大幕をピンと広げ、真ん中に取り付けられた大きな獅子頭を何度も跳ね上げる。
かけ声は「ワッショイ、ワッショイ」で神輿の雰囲気である。
獅子頭は、一見して渡部重衛門の作風だった。
獅子頭は跳ね上げられる度に「バクっ バクっ」と勢い良く歯打ちの音を上げる。
心を一つに合わせての響きだった。
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