川西町時田の浮島神社に訪れた。
ここからちょっと西には八幡宮があり先週お祭りが終わったばかりである。
同所ということもあり、兼務している若い衆もいるようだ。
拝殿には獅子頭が一頭置かれていたが、社務所でもう一頭幕付けをしていたが済んだようだ。
時田の地区を分担して廻るそうである。
部落名に面白い名前を見つけた。「太夫小屋(たゆうごや)」「遠江小屋(とおとうみ こ
や)」遠江とは静岡県西部地方の事で何かいわく由縁がありそうだ。
さて・・獅子頭は三頭あった。
一頭は地元の翁が奉納したもの。他所から合社した神社のものだろうか? 使用感がある。
獅子頭に記名は見当たらなかったが、奉納札と修理奉納札が有り年代を探すがどちらも書いて
ないという・・・首を傾げる記録である。
こちらの黒獅子は見ていると、あちこちに長井の獅子頭彫りの作風を感じる。
推測だが竹田吉四郎の作ではないか?
獅子頭は総宮系の様式で眉毛を巻き毛にして形を変えていて、耳や鼻の作り方が竹田吉四郎の
作風である。
荒い作りだが赤獅子の方もやはり長井の彫り師風で、長谷部吉之助風の作かもしれない。
長井の勧進代や西高玉の獅子の面影である。
獅子廻しの時間になった。
獅子頭にお神酒を吹きかけて、獅子廻しの若衆に受け渡すと走って神社を時計とは逆回りに三
回廻る。(右回りの神社が多い)
他の神社の獅子廻しと比較して多人数で頼もしい。以前は皆このような勢いがあったのだろ
う。
神社の入り口から二手に分かれて地区を廻る。
間も無く一番最初の民家に訪れる。
「わーーーー」と気勢の声をあげて走り玄関に飛び込む。
歯噛みをして厄払いの御信心をしてご祝儀を戴く。
お祓いが終わると直ぐに庭を借りてシートを敷いてお休み燃料補給の様相だった。
出発は午後1時半・・・神社に戻るのは8時過ぎになるらしい。
肌に刺さる様な日射し、突き抜ける青空。
頭を垂れ黄金色に輝き、南風でなびく稲穂の海を、若者達に導かれ獅子が
渡っていく・・・若者達が上げる気勢が雷鳴の様だった。
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