8月19日(土)川西町大舟の熊野神社に訪れた。お祭りはもう6日7日に終わっている。
この日、こちらの宮司さんにお願いして獅子頭を拝見することができた。
小高い丘の上に神社が有り、山城あとに神社が建っている。
バラバラと大粒の雨が降ってきたので早速、拝殿の獅子頭を拝見する。
黒い獅子頭が一対と、宇津権九郎型が一対あるが骨董風の外国製のものだ。
黒い獅子頭は渡部重衛門氏がよく制作する型で見覚えがある。
小国の大宮神社の獅子頭と良く似ている。
この大舟熊野神社の二頭は良く似ているが、時代や作者、塗りの方法など微妙に異なる。
古い獅子頭の耳の形や眉毛の模様に村上市で見られる様式があるように思う。
瞳が残っている方が新しく、渡部重衛門氏が古い方の獅子頭を元に忠実に作ったものと考えて
いる。その後渡部氏はこの型を、他の神社の獅子頭に多く残したのではないか。
記名には明治18年奉納と記されており、渡部氏の存命した時代だ。
先代の獅子頭の作者は詳細不明で謎は深まるばかりだ。
こちらには見事な木造の狛犬が一対あり、写真では感じなかったが高さ90㎝程あり迫力がある。
脳天には大きな宝珠と角のある青と緑の狛犬だ。
神殿と拝殿の軒下にも、他の神社では見られないものがあった。
こちらは神様用の神輿と木舟で、神がここに来られる時に使ったものと伝えられている。
大舟という地名の由来となったという宮司さんのお話だ。
現在のお祭りは前夜祭に夜8時頃から神輿の渡行を行なっている。
夜の8時出発とはかなり遅い時間である。
昔の前夜祭の時間感覚なのだろう。
氏子や神輿の担ぎ手も少なくなり、以前復興した囃子も途絶えているとか。
拝殿にお祭りが盛んだった時代の写真が飾ってあった。
この記事へのコメントはこちら