川西町高山の八幡神社の例大祭に訪れた。
厚い雲に覆われ三時過ぎというのに夕方のようだ・・パラパラ雨が落ちてきた。
神社にお邪魔すると例大祭が終わり片付けも終わろうとしている所だった。
宮司さんに色々お話をお聞きした。
失礼だが推定年齢約85歳とお見受けするので戦前の昭和初期頃のお話だろう。
昔の獅子舞で「𠮟声(しっせい)」という、今は無くなった伝統があったそうだ。
神社に獅子を入れる警護掛りで獅子振り達が幕の中で、観客のザワメキを静める為に
「しーーっ」と声を出す習わしがあったそうである。
今でも静にせよという時に一差し指を口にあてる合図にあるものだろう。
その「しーーっ」が意味を知らないお客さんから𠮟声を笑われる時があり、いつしか無くなったと
か。
そんな所作やしきたりは、現在より数倍あっただろう・・・。
こちらの神社には獅子頭が三頭所蔵され、最近の獅子では西大塚の金子豊夫氏の作である。
最古の獅子頭とそれを元に制作した作者不明の二頭がある。
しかし、現在はお祭りには獅子舞は出る事はなくなってしまったそうだ。
神社の脇に川が有り、そこを境にして直ぐ隣に高山地区の八所神社があり本日は前夜祭なので
訪れてみたが神輿と獅子はもう既に渡行中だった。
激しく雨が降る中、田圃道を捜索するが見つからない・・・取材を終える。
川西の一部では、明治初期から総宮系の黒獅子の舞を導入し現在に至っている神社もあるが
米沢系の「追い獅子」「獅子廻し」の獅子舞が無い形である。
しかし神輿と一緒に廻り神輿を警護する形から、さらに合理化され別々に地区を廻る様になってい
る現状だ。
今年取材できなかったが、洲島八幡神社に伝承されている神楽があり、高山や吉田地区もその
影響があったのではないかと推測している。
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