七月米沢に新しく図書館が出来たので訪れた。
市立図書館ナセBAである。
一階はギャラリーも有り、ズラリと立ち並ぶ本棚・・吹き抜けの回りに二階三階の本棚にも
本が溢れている。
目的は郷土資料にある獅子頭の情報である。
市町村別に◯◯市史とか◯◯町史があり、更にその中に◯◯村史と細分化して情報が詰まっている。
米沢市の上郷史に獅子頭の貴重な情報を発掘した。
以前このブログで紹介した米沢市、浅川泉養院所蔵の鎌倉期の獅子頭と同じ年代の獅子頭が
お隣の竹井地区の黒田新兵衛氏にあるのだという・・・。
早速、調べてみると竹井地区に黒田姓は数件あり、新兵衛氏の名は無い。
では、現地に行って探すしか無い。グーグルアースで場所を探してみると蔵のある家があった。
まず、そのお宅を訪れてみた。
見知らぬ訪問者にも老夫婦が笑顔で対応してくれた。
新兵衛氏のご子孫は近くにお住まいだった。
尋ねてみると、新兵衛氏は昨年亡くなり、一週間前にお住まいを解体してしまったとか・・。
ナセBAで発掘した獅子頭について話してみる。
話の雲行きが悪くなってきた。
ところが、不在の息子さんに連絡してもらうと獅子頭は存在していた。
そのニュースに血圧と脈拍が少し上がるのを感じながら拝見した。
出てきた獅子頭は、板の様な形で表面の風化が激しく穴も開いている。
経年劣化は室町や鎌倉時代の貫禄もある。
僅かに唇や鼻の穴に朱の彩色痕が残っている。
頭部は栗材、下顎は杉で作られ後から作ったような印象である。
耳は無く、穴も無い。口の開閉の為の、軸穴も見当たらないので不思議だ。
獅子頭についての詳細は一切伝わっていない。
何故ゆえ上郷史にその話が記されていたかも定かでない。
浅川の泉養院、亀岡の善行院、そして黒田家の獅子頭の謎解きが始まる・・・。
簡単に着色してみるとこうなる。
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