日本三大熊野の宮内熊野大社の例大祭に訪れた。
昨日の前夜祭で御神輿が町を巡り、既に獅子頭が神社入り口に安置されていた。
参道の真ん中にテントが設置され神輿が置かれている。
囃子のトラック屋台がスタンバイし
担ぎ手は休憩中で出番を待っている様子は祭りの雰囲気で溢れている。
獅子冠(ししかむり)事務所を覗いてみると、獅子頭が展示されていた。
長老達が気勢を上げている最中だが、歩く姿は少々お疲れモード。
神輿を担ぐ訳でもないが、夏場お酒が入って歩き回ると体力を奪われるのが常だ。
いよいよ神輿渡行が始まった。
これから神社の参道を上り神社に戻り、重い神輿を担いで階段を駆け上るのだ。
そして神輿は神社の回りを数回巡り終了となるが、今度は獅子頭を神社に戻す。
獅子を出す前に、不思議な神事を行なう。
行者の若者が栗の枝の束を持った男の子を肩車にしてスタンバイしている。
ぼんでんを持った長老達や行者達が三人づつ呼び出されると、肩車集団へどうぞお好きな様に
とばかり立ち向かっていくと枝の束でめった打ちにされるのだ。厄払いの一種だろうか?
柳の枝と聞いていたのだが、栗に変わっていた。安全を期したのだろう>
和やかな雰囲気で終了するとイヨイヨ獅子の出番である。
宮司がお祓いを済ますと、行者たちは騒然と暴徒化し我先に獅子頭の垂(シデ)を奪い合う。
幕をピンと張りながら参道を下っていく。
立て場という決まった場所に来ると、大麻(オオヌサ)で祓うと獅子は
くねる様な所作を始める。場所場所で獅子を持つ者が決まっている様で、決まったパターンの舞では
無さそうである。
獅子頭を持つ二人が、全体を引っ張る様子は勇壮で、皆ワッショイワッショイと声を合わせて
進んでいく。この幕を張り練り歩く形は、赤湯や梨郷の獅子舞と共通していて其々の形を発展
させて特徴を見せている。
階段では獅子一行がUターンし幕の後ろから階段をセッセと上るので面白い。
謂れがありそうである。
神輿と同じ様に神社をグルグル巡る。
獅子一行が近づいて来ると聖なる香りが漂って来る。
汗や酒、八百万が熟した臭いである。
御神体の入った御神輿を獅子が守護する形とは違い、獅子頭が最後に締める展開だ。
所変われば、やり方考え方のスタイルも様々である。
やがて獅子は、その使命を終え2日間に渡った祭りの終了となる。
7月25日急に静かになった境内に提灯の明かりが灯り、ヒグラシ蝉の声が木霊していた。
兵どもの夏の後かな・・・。
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