米沢市広幡地区の成島八幡神社は宝亀八年(777年)に創建されたというから1239年とな
る。この神社には考古学上級者向けの貴重な文化財が数々有った。
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社務所を兼ねての宮司宅の玄関に訪れると、細身の猫が寝そべっていた。
私が近寄っても臆せず、度胸がある猫だ。
大抵は警戒して威嚇しながら離れるものなのだが。
家人の話では野良猫で最初家に入れ餌を与えたが、家にある「木造門神座像」に恐れをなした
のか以後けっして家に入ろうとしないとか・・・。犬は人につき、猫は家につくと云うのだ
が。
玄関先で家を守る狛犬ならぬ狛猫なのだろう。
さて、突然の訪問に関わらず文化財の神様の木彫り像を拝見し、拝殿を見せて戴くことになっ
た。
ただし、獅子頭は神社にはなく、総代のお宅に保管していただいているという話である。
目的の獅子頭は見れない事に気落ちした。
参道の傾斜のある石畳は苔生して滑りやすい。
参道を登ると神社が見えてきた。鬱蒼とした境内には石灯籠、右手には鐘楼がある。
格子の重い扉を開けると広い拝殿。中に入れてもらうと直ぐ気づくのだが、天井の梁に巨大な
奉納額(絵馬)が何十枚も乗せられていた。
![](http://samidare.jp/shishi6/box/IMG_1298-2.jpg)
拝殿の壁に飾りきれない古い奉納額を、こんな風に展示するとは・・初めて拝見した。
裁縫する女性群を鮮やかに描いたもの、太刀、槍、竹刀に関わるもの、算術の絵馬もあり歴史
の奥深さを物語っていた。
![](http://samidare.jp/shishi6/box/IMG_1299-2.jpg)
幣殿の窓はアルミサッシ等ではない。二枚板の格子をスライドさせる無双の窓である。
その窓から神々しい光が差し込み、神殿の入り口の両脇に一対の木造狛犬を照らしていた。
こちらも古く平安期の作とか・・。
![](http://samidare.jp/shishi6/box/IMG_1308-2.jpg)
すると、私の目にはセンサーがある様だ、その狛犬の暗い奥に獅子頭らしきものを発見した。
獅子頭は無いとお聞きしていたが、お出ましになった。
こちらである。しかも二頭。
![](http://samidare.jp/shishi6/box/IMG_1316-2.jpg)
![](http://samidare.jp/shishi6/box/IMG_1315-2.jpg)
左手の方は一見して宮内熊野大社の獅子頭と似ている。耳は垂れ耳だが、同じく脳天に丸い
円盤状の鏡が内蔵しているかのようでもある。目や眉を朱の線描で描き、唇の縁に元々毛穴
があった様にしている所も同じだ。
右側の獅子頭は、横から見ると川西町中沖の渡辺重衛門の作之獅子頭と似ているが
何とも言えない。どちらも幕が付き、話に聞いている御神輿渡御の際の露払い役の獅子頭だろ
う。
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