先日の「気になる獅子」のブログ記事に対して貴重な情報を戴いたのでご紹介したい。
亀岡の善行院の獅子頭に似ている獅子頭を偶然、飯田市美術博物館の図録(2010年発刊)に
発見した話である。
この図録をお持ちの方から貴重なコメントを戴いた。
この図録の解説である。
獅子頭 一面
木造彫眼彩色
天文9年(1540)銘
個人蔵
本獅子頭は、比較的小振りなもので、頭上に宝珠をあしらったと思われる別材を頂き、
金地であらわされた眼はほぼ完全に上を向き、別材を差し込んだ耳はぴんと立つ。
後頭部に十ヶ所ほど小さな丸い孔が穿たれており、たてがみを植え付けるための孔であろうか。
全体は黒漆を基調とし、宝珠、耳、目の周囲とまくれ上がった口唇は朱漆を塗る。
金属板を上下の歯にあてているのは、口の開閉時の音の効果を狙った工夫であろう。
下顎の裏面には陰刻銘がある。ここに登場するのは仙台領の稲子村を中心とする宮城県境
に隣接する地名のようであるが、獅子頭を新調するにあたり、各地域で費用を分担していた
様子がうかがわれる。天文9年の元号を有するが、元号と干支が合致せず、制作年の確定に
は検討を要する。
なお、miho museumの図録(2014年発行)では、獅子頭の制作年を天文17年(1548) としております。
以上
善行院の獅子頭とこの獅子頭についての類似性の中で特筆すべき所は多い。
写真だけでは分からなかったが解説には宝珠と歯の金属板について記されている。
善行院の獅子頭には宝珠の珠が紛失していたが、台座の丸い板が残っていて共通している。
歯の金属板も同じ。耳や上を向く目の特徴、唇のめくれる形状、眉毛、鼻の形等・・文句の
付け様が無い。
とすれば、個人蔵とある図録の獅子頭の出所詳細を調べれば、更に興味深い展開に発展するのではな
いだろうか。
善行院の獅子頭の裏をバカチョン赤外線カメラで撮影した画像に記名のような物が見える。
思い込みが強くてそう見えるだけかも知れない。
如何なものか?
・・ワクワクが止まらないので困る。
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