お馴染み、お隣の太郎猫(びょう)が最近ウチの大獅子の上で瞑想しているらしいという噂が
耳に入った。
昨日もお客さんから大きな猫が大きな獅子の上で寝ているとの目撃証言があったので、注意し
て見ていると朝の半ばにそれを発見した。
瞑想も架橋か、大獅子の頬っぺたの窪みで溶けた様に寝入っている。
私が近づいても気にも留めずメルトダウン状態である。
太郎は身なり、下がとくに汚い・・・
アチコチでマーキングするし、歩くと揺れる睾丸には時々見てはならない謎の
付着物が有るが、太郎猫は感じないのだろう。どこ吹く風だ。
特に私の軽トラのタイヤや角に尿スプレーするのは止めて欲しい。
猫の尿は強酸で、エイリアンの体液ほどの腐食性があるし臭い!
奴は猫としても中年以上で、加齢臭など発散しながら獅子宿界隈を闊歩しているのだ。
そのフテブテしい大きめの、お顔には雄猫同士の本能の闘いの勲章が刻まれている。
白地に黒虎島柄の、脂っこい毛並みはウロコの様に成ってる。
ご挨拶のスリスリされるのを、いつもご遠慮したくなるような風貌なのだ。
最近喧嘩で耳の根元に大怪我をした。
ちょっと、その前は頬っぺたに傷を負ったり、額に傷ができて塞ぎ込んでいたが
シブトく復活している。
家の方も心配して額の傷に人間用の絆創膏を貼られて現れ大笑いした事もある。
しかし奴は、一見自分を鈍重に見せかけてカモフラージュしていることに気づいた。
ある時、店の定休日の誰もいない時に何処からか猫らしき輩が入り込み、囲炉裏に入り
畳を灰の肉球スタンプだらけにしたり、言ってはいけない遺留物を残したりした怪事件があっ
た。
厳重に封鎖した建物に何処からか、侵入した四つ足の者が居たのだ。
アチコチその侵入口を捜索したが不明だった。
ある時、太郎猫が大獅子の近くに積んでいる獅子頭の木地で惰眠を貪っていた。
すると私の目のナビゲーションに、太郎猫の店内侵入ルートが浮かんで来たのだった。
太郎猫はその侵入スタート地点で一服を決め込んでいたのだろう。
シュミレーションしてみるとこうである。
獅子頭木地の上からジャンプして出窓の屋根に上り、大獅子の屋根を伝い、幅10cm程の廊下
の外障子の小さな庇を渡る。そして玄関の屋根にジャンプしすれば、もう侵入したも同然。
そのまま西に回り込んで、中二階の破れた障子窓から侵入したのだろう・・・断りも無く。
ひとしきり屋内を散策し、疲れて座布団の上で一夜を過ごした・・・我々が出勤した金曜日に
人の気配を察知して、奴は堂々と玄関から脱出したのだろう。
太郎猫の発する、ご飯をおねだりする声は小さくカスレて控えめだ。
瞳はプルシャンブルー。
人の動きや心理を良く察知する。
時々やって来ては、我々を癒してくれるストレンジャーなのである。
おやっ! 今日は下が綺麗みたいだ。
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